我々のこれまでの研究から、日本産野生マウスから樹立されたMSM/Msマウスの12番染色体には、セントロメア側約10 Mbに加齢性難聴の発症を抑制する遺伝子座が存在することが示された。本研究では、この領域に最低でも2つの発症抑制遺伝子が存在し、1つは前半の23遺伝子、もう1つは後半13遺伝子の中のどれかであることが明らかとなった。これらの遺伝子は、それぞれカドヘリン23遺伝子と相加的に作用し、発症を抑制していることが示された。Tgマウスの解析から、抑制遺伝子の候補を5遺伝子にまで絞ることができたが、残念ながら遺伝子の同定までには至らなかった。
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