研究課題/領域番号 |
21K09651
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 多嘉緒 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20735930)
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研究分担者 |
上羽 瑠美 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10597131)
佐藤 拓 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50779808)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 筋再生 / bimagrumab / 声帯麻痺 |
研究実績の概要 |
現在までのところ、声帯麻痺や加齢により萎縮した甲状披裂筋を再生させる確立された治療法は存在しない。近年アクチビンタイプ2受容体経路を抑制することで、骨格筋同化作用を促進し、骨格筋の肥大を誘導できることが報告されている。ビマグルマブは、アクチビンタイプ2受容体拮抗薬であり、筋線維構成分子のタンパク分解系を抑制し、筋芽細胞の増殖、筋管細胞への分化を促進することで、強力な筋肥大効果をもたらすといわれ、その結果として身体機能を改善する可能性が示唆されている。我々はこのビマグルマブに着目し、その局所投与による萎縮した甲状披裂筋に対する再生効果について検証した。 今年度は、昨年度に引き続き声帯麻痺における甲状披裂筋の再生効果の確認のため、局所投与の実験をおこなった。オスのSprague-Dawleyラットに麻酔薬の腹腔内投与により全身麻酔をかけ、頸部外切開により左反回神経を切断、断端の結紮を行い、声帯麻痺モデルを作成した。ビマグルマブを1μg/kgまたは10μg/kgの濃度に調整し、切断後1か月経過後に内視鏡下に麻痺した声帯に経口的に注射し、筋の再生効果を検証した。投与後1日目、7日目、14日目、28日目、56日目にて喉頭組織を採取した。しかし、十分な筋再生効果は得られなかった。そこで100μg/kgの濃度に調整して、現在同様に検証中である。また、老齢ラットも現在作成中であり、老化により萎縮した声帯筋に対する効果についても検証していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
試験薬のコストが高く多くの実験はできないことや、当初予定していた試験薬のdoseでは十分な効果が得られなかったことから、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
doseを調整しつつ再度実験を行う。 また、高齢ラットに対しても実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた薬効がえられておらず、投与法を検討して再度実験を行う。 試薬および動物の購入費用とする。
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