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2023 年度 実施状況報告書

外傷性嗅覚障害に対する低侵襲クルクミン経口療法確立のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K09653
研究機関三重大学

研究代表者

小林 正佳  三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80343218)

研究分担者 西田 幸平  三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (10456733)
石神 瑛亮  三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (90835571)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード嗅覚
研究実績の概要

本年度は外傷性嗅覚障害モデル動物を作製し、嗅神経切断後にクルクミンを腹腔内投与して嗅神経再生促進効果があるかどうかを行動学的実験で検討した。
嗅神経を容易に視認できる遺伝子組み換えマウスOMP-tau-lacZマウスに対して、あらかじめシクロへキシミド溶液を用いた忌避条件付けのにおい嫌悪学習を施行した。マウスはシクロへキシミドを一度舐めると非常に強い不快感を感じ、その後はそのにおいを嗅ぐことにより、シクロへキシミド溶液に対して忌避行動を示す。シクロへキシミド溶液と蒸留水の入った飲水用ボトルを左右に並べて同時に呈示し、どちらかのボトルの液を舐めたら、これらをゲラマン系列に従って左右を入れ替えてまた呈示した。これを10回繰り返し、10回連続してシクロへキシミド溶液を忌避して蒸留水を舐めた場合、シクロへキシミドのにおいを記憶したものとみなした。
シクロへキシミドのにおいを記憶したマウスを全身麻酔下で前頭開頭し、両側の嗅神経を切断した。閉頭後、動物を覚醒させ、手術直後にクルクミン溶液を腹腔内投与し、高用量の投与群とコントロールとしてのクルクミンの溶媒であるDMSO(ジメチルスルホキシド)溶液投与群の計2群を設けた。術後7日ごとにシクロへキシミド溶液と蒸留水をゲラマン系列に従って同時に呈示して、10回連続してシクロへキシミド溶液を忌避して蒸留水を舐めた場合を嗅覚回復と判定した。
この結果、コントロール群での嗅覚回復率は0%だったのに対して、クルクミン投与群では54%の回復率が認められ、両群には統計上有意差が認められた。
以上から、クルクミン腹腔内投与により、嗅神経切断後の嗅覚機能回復が促進することを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りの研究が遂行できているため。

今後の研究の推進方策

次年度は、クルクミン経口投与により嗅覚機能が回復しているかを行動学的実験で確認する。

次年度使用額が生じた理由

(理由) 購入予定であった物品の一部が、他研究室で不要になったものを使用させていただくことで、購入を節約することができたため。
(使用計画) 引き続き予定通りの研究計画遂行の必要経費として使用する予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 外傷性嗅覚障害モデルにおける経口クルクミン療法の効果2023

    • 著者名/発表者名
      小林正佳 西田幸平 石神瑛亮 竹内万彦
    • 学会等名
      第124回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会
  • [学会発表] クルクミン経口投与による外傷性嗅覚障害モデルでの嗅覚機能回復促進2023

    • 著者名/発表者名
      小林正佳 西田幸平 石神瑛亮 竹内万彦
    • 学会等名
      第40回耳鼻咽喉科ニューロサイエンス研究会
  • [学会発表] クルクミン経口投与を用いた局所炎症制御による外傷性嗅覚障害後の嗅覚機能回復2023

    • 著者名/発表者名
      小林正佳 西田幸平 石神瑛亮 竹内万彦
    • 学会等名
      日本味と匂学会第57回大会

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公開日: 2024-12-25  

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