研究課題
血管内皮コロニー形成細胞(Endothelial colony-forming cells: ECFCs)は、細胞治療に用いるヒトないしは自家血管内皮細胞のソースとして知られているが、近年広義のECFCとして、生体内における血管内皮幹/前駆細胞の存在が注目されている。申請者は、最近報告されているCD157、CD201などのマーカーに着目し、網膜血管におけるECFCの同定とニッチ環境の解明を計画している。マウス網膜血管内皮細胞を用いたシングルセルRNAseq解析結果を用い、特定のクラスターに発現する遺伝子の機能解析を行った。遺伝子Aおよび遺伝子Bのノックダウンを、培養血管内皮細胞(ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)、マウス脳血管内皮細胞(bEND3)、ヒト網膜血管内皮細胞(HRMEC))に行い、増殖活性、遊走活性、血管新生能を検討した。増殖活性はMTTアッセイ、遊走活性はスクラッチアッセイ、血管新生能はtube-formation assayを行った。遺伝子Aのノックダウンでは、上記アッセイにて明らかな変化を認めなかったが、遺伝子Bをノックダウンした細胞では、MTTアッセイにて細胞増殖は亢進しており、tube-formationアッセイでもネットワーク形成能が亢進していた。また遺伝子Bをレンチウイルスを用いてHUVECにて過剰発現させると、増殖活性の低下が認められた。今後遺伝子A、Bのin vivoにおける機能解析を行っていく予定である。
2: おおむね順調に進展している
上記の通り、特定遺伝子の機能解析を行い興味深い結果が得られている。
今後遺伝子A、Bのin vivoにおける機能解析を行っていく予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
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