研究課題
我々はv-RASを強制発現させ均一に活性化したマイクログリアが、網膜内で層により異なる活性化を受けているということを見出し、このことから、網膜内の微少な環境がマイクログリアの活性化状態に影響を与えていると言う仮説を立て、網膜内の微少炎症環境の不均一性の存在の有無を明らかにすることを中心として、網膜内の炎症像を4次元的に把握することを目標とした。特にミューラーグリアが網膜を内層から外層まで貫いて存在するため、この不均一性に寄与するのではないかと考えた。網膜内の局所特異的なタンパク発現を明らかにするために、網膜の特定の領域をレーザーマイクロダイセクション(LMD)で切り出し、LC-MSで網羅的に同定し、網膜変性の時間軸の進展におけるタンパク発現の時空的変化が明らかになってきた。複数の変性モデルを用いて、同様の検討を行い、同時に感度を上げる技術開発を行い、当初の20倍程度のタンパク質が同定できるようになった。しかしながら、ミュラーグリアが分泌すると考えられているサイトカインについては微量であるためか検出されず、さらなる技術的な改善が必要であることが明らかになった。マイクログリアと神経細胞の共培養系では、ライブセル解析システム(Incucyte)を用いて細胞貪食を定量的に解析することが可能になり、様々な細胞種、条件下での検討を進めた。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件)
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