研究課題/領域番号 |
21K09707
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
梅屋 玲子 順天堂大学, 医学部, 助教 (50722766)
|
研究分担者 |
小野 浩一 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (10317399)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 認知症 / 眼科 / 介護負担 / 白内障手術 / 日常生活自立度 |
研究実績の概要 |
高齢認知症患者が白内障を合併していても、患者本人が見えにくさを訴えることが少ないケースがあり、眼科受診していない場合がある。そのため眼科受診が遅れる場合が多々あり、また診察や手術が通常通りには行えず、家族や介護者への医療に対する協力が必然となる。臨床現場では白内障手術後に患者が以前よりも落ち着いた、介助負担が軽減した、ということを経験する。現在の高齢化社会において、認知症患者への白内障手術前後の患者変化を他覚的に評価することは手術適応を決めるうえでも社会的責任としても非常に重要である。 Ⅰ認知症患者に関するデータ 基本属性(年齢、性別、生活の場、認知の原因疾患)・要介護度・認知症日常生活自立度・既往症・併存疾患・主介護者・白内障診断を受けたきっかけ・白内障手術時期。白内障手術について:眼科的診察・検査・眼鏡使用の有無・手術内容・麻酔内容・片眼か両眼か。認知症評価に次の検査を行う。今回使用するのは、①MMSE(ミニメンタルステート検査)。 Ⅱ家族(介護者)に関するデータ ①日常生活自立度、②Zarit介護負担尺度日本語版。これらをアンケート方式で介護者におこなった。アンケート記入のため介護者には研究参加への負担も少なく、術前と術後外来での経過観察時に施行している。 また、視覚障害が、高齢者の転倒による介護度の悪化、それに伴う医療費の増大に大きな課題となっている。内的要因としては、視覚障害以外に、バランス障害、筋力低下、薬剤などさまざまなものが知られている。当科通院中の患者背景を取得し、転倒における危険因子について検討を行った結果、年齢、視覚障害、転倒の履歴および認知障害は転倒と関連していたことがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスが蔓延している世界的背景のため、高齢者の受診控えが大きな理由である。特に認知症患者、また、その介護家族にとって病院への頻回の受診は困難であることが予想される。年間30症例前後のエントリーを想定していたが、これまでのエントリーは11症例である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究への組み入れ対象を、同居家族が介護している認知症患者症例としているが、当院は施設入所先からの紹介患者で白内障手術症例も多数ある。 術後、施設での介護しやすさに影響している例も散見され、今後施設入所中の症例も組み入れるかどうか検討する必要がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会参加に関する旅費等が必要なくなったため。
|