研究課題/領域番号 |
21K09716
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮田 学 京都大学, 医学研究科, 講師 (00548505)
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研究分担者 |
村岡 勇貴 京都大学, 医学研究科, 助教 (00739089)
大音 壮太郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (10511850)
池田 華子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (20372162)
三宅 正裕 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (90812793)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 滲出型加齢黄斑変性 / イメージング / 網膜色素上皮裂孔 / 黄斑下出血 |
研究実績の概要 |
本年度は主に滲出型加齢黄斑変性に併発する視機能に影響を与える重要な合併症である網膜色素上皮裂孔と黄斑下出血のイメージング研究を進めた。まず、網膜色素上皮裂孔は網膜色素上皮の一部に裂孔が生じて、出血をきたしたり、将来的には網膜萎縮につながったりすることがある。黄斑部に生じると、視力が落ちると言われているが、原因についてはよくわかっていない。そこで最新のイメージング機器であるswept-source optical coherence tomography angiography画像を、抗VEGF治療前に撮影し、種々のパラメータを解析し、治療後に網膜色素上皮裂孔が生じた群と生じなかった群で比較した。網膜色素上皮裂孔が生じたのは1年間で5.3%(8眼/152眼)であり、生じたものの方が、網膜色素上皮剥離の面積が広く、丈が高く、網膜色素上皮剥離面積に対する脈絡膜新生血管面積の割合が小さかった。次に、黄斑下出血は急激に視力が低下し、治療は黄斑部から出血を移動させることである。治療にはガス硝子体注射単独や、最近では組織プラスミノゲンアクチベータを網膜下に注入したりする手術がある。前者は低侵襲であるが、移動しない症例もある。そこで、黄斑下出血をきたし、SF6ガスを硝子体腔に注射して治療した症例で、黄斑部からの出血の移動性に関連するパラメータをoptical coherence tomographyを用いて調べた。出血の硝子体腔に対するコントラストの比(contrast to noise ratio; CNR)が高いことが出血移動の程度に最も関連があることがわかった。このCNRを考慮すれば、低侵襲のSF6ガスだけでも出血を黄斑外へ移動する可能性が高い症例を事前に認識することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イメージング研究が進んでいるから。
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今後の研究の推進方策 |
このままイメージングを用いて多角的に滲出型加齢黄斑変性の病態把握に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で学会がweb開催となり、旅費がかからなかったため。
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