• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

マウス基底膜ライブイメージングによる網膜血管の形成機構とその病的変化の可視化

研究課題

研究課題/領域番号 21K09732
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

二木 杉子  大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00403014)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード基底膜
研究実績の概要

本研究は血管の形成や機能に重要な役割を果たす基底膜の形成維持機構や動的変化を明らかにすることを目的としており、基底膜イメージングモデルマウス(Nid1-mCherry)を用いて生体内(生組織)での基底膜のライブイメージングによる解析をおこなっている。
2022年度までの研究で、Nid1-mCherryマウス組織における基底膜蛍光標識の評価と、網膜血管基底膜のライブ観察を行い、それらの成果を2023年度初頭に論文として報告した(Futaki et al., Matrix Biol Plus)。2023年度はひきつづきNid1-mCherryマウス網膜血管のライブ観察を用いた研究を行ない、基底膜の形成・分解に関わるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の影響を検討した。具体的には、Nid1-mCherryマウス網膜の血管基底膜に対して局所的なレーザー照射により蛍光を褪色させ、新たなNid1-mCherry分子の集積によると考えられる蛍光回復をライブ観察により観察・計測した。この器官培養系にMMP阻害剤を添加した条件下で基底膜蛍光の回復を計測したところ、基底膜蛍光の回復程度に有意な変化は見られなかった。さらに、基底膜成分の相互作用に影響を及ぼすことが予想される因子の存在下での蛍光回復も検討したが、いずれも基底膜におけるNid1-mCherry蛍光の回復に有意な差が見られなかった。今後、複数の阻害剤を検討するほか、添加した薬剤の効果を検証するための網膜血管の培養系の見直しも含めた検討を継続している。
また、マウス内在Nidogen-1遺伝子に蛍光タンパク質をノックインした新たな基底膜イメージングモデルマウスの作製を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

Nid1-mCherryマウス出生率が低く、阻害剤等を用いた実験の再現性の確認などに時間を要した。また、当初計画でmCherryをマウスNidogen-1遺伝子座にノックインしたマウス(Nid1-mCherry-KI)の作製を予定しており、2023年度中に蛍光タンパク質の種類を変更することも含めた共同研究として作製に着手した。しかしマウス系統の樹立が予定よりもおくれている。

今後の研究の推進方策

ひきつづきNid1-mCherryマウスを用いて、網膜血管基底膜のライブ観察と基底膜を継続的に維持する機構の解析を進め、より効果的な実験系の改変と阻害剤の種類や濃度の検討を行う。また、マウスNidogen-1遺伝子座に蛍光タンパク質をノックインしたモデルマウスの作製と解析を進める。色変換型の蛍光タンパク質等を用いることにより、基底膜の動態をより詳細に解析できるモデル系の作出を目指す。なお当初の研究計画にあった病態モデル未熟児網膜症モデルマウスを用いた基底膜蛍光の解析は、大学業務との時間的兼合いにより見送ることとした。

次年度使用額が生じた理由

2022年度にマウスNidogen-1遺伝子座に蛍光タンパク質mCherryをノックインしたマウス(Nid1-mCherry-KI)の作製を予定し作製委託費を計上していたが、実際には蛍光タンパク質の種類を変更することも含めた共同研究として作製に着手することとなったため、主に作製委託費相当分が未使用となった。また既存のNid1-mCherryマウスを用いた研究についても、マウス出生率の低下や大学業務との時間的兼合いのため実施がやや遅れ、執行率が低い一因となっている。次年度に新たなマウスモデルが確立する予定であり、その評価と解析のための費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Visualization of basement membranes by a nidogen-based fluorescent reporter in mice2023

    • 著者名/発表者名
      Futaki Sugiko、Horimoto Ayano、Shimono Chisei、Norioka Naoko、Taniguchi Yukimasa、Hamaoka Hitomi、Kaneko Mari、Shigeta Mayo、Abe Takaya、Sekiguchi Kiyotoshi、Kondo Yoichi
    • 雑誌名

      Matrix Biology Plus

      巻: 18 ページ: 100133~100133

    • DOI

      10.1016/j.mbplus.2023.100133

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Visualization of basement membranes by a nidogen-based fluorescent reporter in mice Nidogenを利用した基底膜イメージングモデルの作製2023

    • 著者名/発表者名
      Futaki S, Taniguchi Y, Hamaoka H, Kaneko M, Shigeta M, Abe T, Sekiguchi K, Kondo Y
    • 学会等名
      第56回日本発生生物学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi