研究課題/領域番号 |
21K09733
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
藤原 篤之 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (20881618)
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研究分担者 |
三木 淳司 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90447607)
米田 剛 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (80389014)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 視野計 / 視線視野 / 視線 / 視野 / 自覚的応答 / 乳幼児 |
研究実績の概要 |
代表的な視機能検査法である視力検査においては、自覚的な応答を必要としない他覚的評価法がいくつか考案をされている。そして、自覚的応答困難な乳幼児の視力評価が可能で,眼科臨床において小児患者や非器質性視覚障害の診断に用いられている。その一方で、他覚的視野検査法は現在までに確立されていない。一般的な視野検査では中心点の注視と自覚的応答を必要とする。そのため、乳幼児や知的障害者、重度・重複障害者のように、検査の理解や自覚的応答を十分に得ることが難しい場合、視野の定量化が困難という問題がある。そこで、視力検査と同様に視野検査においても、他覚的評価と定量化が可能となれば眼科臨床への影響は大きいと考えている。本研究で取り組んでいる視線計測に基づく視野解析システムの構築は、従来測定困難とされてきた乳幼児をはじめとする自覚的応答困難な症例の他覚的視野計測を可能にし、眼科疾患の早期発見と適切な管理に貢献することが期待されている。また、視線計測に基づく視野解析システムの構築は、視野の小児期の正常発達の解明にも貢献する。本研究はこの2つの社会的役割を担うものである。 上記の目的を達成するために当該年度は、2つの基礎となる研究に着手した。1つめの実験(実験1)は、ディスプレイ型の視線追従装置(Gazefinder,JVCケンウッド社))を用いた視線視野計測のための視標呈示法と評価精度の検討である。実験1において、短時間かつ的確に上下左右、斜めからなる合計8方向の視野の広がりを評価するための視標呈示方法と、計測結果の妥当性・信頼性について検証した。2つめの実験(実験2)は、実験1の結果を受けて、視野の広がりだけではなく、感度も評価可能とすることを目的に、virtual reality技術のアイトラッキング機能を用いた新しい視線視野計測システムの開発に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新しい視線視野計測システムの開発にあたり、Vivid Vision社(米国)・Vivid Vision Asia(日本)の技術者と複数回に渡るオンライン協議を重ねてきた結果、システム構築に至る迄に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年1月にプロトタイプの新しい視線視野計測システムの構築に至った。今後、新しい視線視野計測システムを用いて、装置の細かい仕様の調整や、実測に基づく計測精度の検証などを同時進行で実験を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ解析や論文執筆を行うために必要となるパーソナルコンピュータや、視線視野計測装置など高額な資金を必要とする項目の支出は完了した。今後、英語論文の添削や、論文投稿料など報告のために助成金を活用する予定である。
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