研究課題
琉球大学病院を受診した治療既往のない滲出型加齢黄斑変性(AMD)205例の背景因子、眼科的検査データの網羅的収集を行った。同時に血液サンプルの取得を行い、京都大学眼科と共同でAMD関連遺伝子多型を解析した。背景因子は調査票を用いてbody mass index、既往歴(糖尿病、高血圧、高脂血症、循環器疾患、脳卒中など)、内服薬(降圧薬、高脂血症薬、抗凝固薬、血小板薬、ステロイドなど)、眼科疾患既往歴(白内障手術、緑内障、中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)など)、紫外線曝露、嗜好歴(喫煙歴、アルコール摂取量など)、AMD家族歴の有無などの危険因子について調査した。眼科的検査データは、年齢、性別、等価球面度数、眼軸長、視力、滲出型AMDのサブタイプ、病変サイズ、中心窩下脈絡膜厚、脈絡膜血管透過性亢進所見の有無などを収集した。特に近年注目されている、脈絡膜肥厚に伴う滲出型AMDのカテゴリーとされるパキコロイド新生血管(PNV)の発症頻度に着目した。遺伝子多型の側面からは、疾患感受性遺伝子として重要なARMS2/HTRA1、CFH162V、AMDの類縁疾患であるCSCにおいて重要と考えられているGATA5、TNFRSF10Aについて検討した。結果、黄斑部新生血管のサブタイプごとの頻度、男女比、両眼発症の頻度、未発症僚眼のドルーゼンの頻度は本邦やアジアの他地域の既報とほぼ同等であった。本邦既報と同様に、滲出型AMDの約半数がPNVであった。AMDリスク遺伝子として知られるCFHとARMS2のリスクアレル頻度も、本邦既報と同様であった。結論として、沖縄県における滲出型AMDの特徴は本邦およびアジアの他地域の同様であることが明らかとなった。結論として、滲出型AMDの疫学研究において、日本本土のコホートに離島である沖縄県民を含めることは結果に大きな影響を与えないと考えられた。
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