研究課題/領域番号 |
21K09747
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
野村 英一 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00347303)
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研究分担者 |
目黒 明 横浜市立大学, 医学研究科, 特任准教授 (60508802)
水木 信久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90336579)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 正常眼圧緑内障 / 疾患感受性遺伝子 / パスウェイ解析 |
研究実績の概要 |
緑内障は神経節細胞のアポトーシスにより発症する進行性の難治性疾患である。緑内障は本邦の中途失明原因の第1位を占め、その約8割が正常眼圧緑内障(以下、NTG)と報告されている。緑内障では一度失った視機能は回復することはないため、その治療の基本は進行予防・進行抑制であり、早期発見・早期治療が非常に重要である。しかしながら、NTGは眼圧が正常であるため、本人の自覚症状が乏しく、健康診断や通常の眼科の診察では見落とされることも少なくない。 NTGの発症には複数の遺伝要因が関与していると考えられている。近年の精力的な遺伝子解析研究により、NTGの遺伝要因(疾患感受性遺伝子)が多数同定されているものの、NTGの発症メカニズムや病態の全容は未だ解明されていない。したがって本研究では、これまでに報告されている遺伝子解析結果の情報をもとに、NTGの発症パスウェイ解析を実行し、NTGの発症メカニズムや病態の解明を試みる。 2021年度は、PubMed、Web of Science、Scopus、ScienceDirect、Embase、Google Scholarのデータベースを用いて、これまでに報告されているNTG感受性遺伝子を網羅的に検索した。各既報の研究から、「解析サンプル数」、「P値」、「オッズ比」、「95%信頼区間」、「遺伝子多型のアリル頻度」の情報を抽出してパスウェイ解析を実行し、NTGの発症と統計学的有意に相関を示すパスウェイを同定した。その後、同定したNTG発症パスウェイに関与する疾患感受性遺伝子を対象に、機能解析(遺伝子発現解析)を実行し、遺伝子多型・変異の遺伝子型の違いによる遺伝子発現量の変動が発症パスウェイに与える影響を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、これまでに報告されているNTGの疾患感受性候補遺伝子の情報を用いて、NTG発症パスウェイの網羅的な解析を行うとともに、疾患感受性候補遺伝子を対象とした機能解析も実行し、NTGの発症メカニズムや病態の解明を行う。 現在までに、NTGの疾患感受性遺伝子を対象とした網羅的な発症パスウェイ解析を完了し、NTGの発症パスウェイを同定している。また、NTGの疾患感受性遺伝子を対象とした機能解析を開始している。 以上より、本研究は当初の研究計画のとおり、「おおむね順調に進展している。」といえる。今後引き続き研究を進めることで、当初の目標を達成できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
同定したNTG発症パスウェイに関与する疾患感受性遺伝子を対象とした機能解析を継続して実行し、疾患感受性遺伝子を介したNTGの発症メカニズムおよび病態の解明を行う。また、同定したNTG発症パスウェイに関与する遺伝子について、私達が保有する日本人集団においても、既報と同様にNTGの発症リスクと有意な相関を示すかを評価するため、NTG発症パスウェイに関与する遺伝子内の遺伝子多型・変異を対象に、私達の日本人集団を用いて追認試験を実行する。
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