視サイクルを制御する遺伝子(RPE65やRDH5)変異による網膜ジストロフィでは9-cis-ベータカロテン治療が報告されている。そこで、日本人に多く、黄斑/錐体ジストロフィを高率に合併するRDH5関連白点状眼底に着目した。RDH5関連白点状眼底症例に対して、9-cis-ベータカロテン治療による前向き研究に着手した。主要評価項目である、網膜電図各種波形の振幅は、ベースライン(治療前)、治療3か月後、治療1年後を比較検討したところ、統計学的に有意に振幅が低下していた。本研究成果から、RDH5変異関連白点状眼底に対する9-cis-ベータカロテン治療は、必ずしも有益とはいえないと考えられた。
|