研究課題/領域番号 |
21K09768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 (2023) 広島大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
今井 洋文 公益財団法人がん研究会, 有明病院 形成外科, 副医長 (10868847)
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研究分担者 |
川瀬 孝和 藤田医科大学, 国際再生医療センター, 准教授 (30463194)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リンパ浮腫 / T細胞 / T細胞受容体 / リンパ管静脈吻合術 / マイクロサージャリー |
研究成果の概要 |
リンパ浮腫の合併症に蜂窩織炎と血管肉腫があり免疫不全の存在が示唆される。リンパ管静脈吻合術(LVA)は、これらを消退させることが報告されているが、その機序は明らかになっていない。本研究ではリンパ浮腫患者に対しT細胞上の疲弊因子(PD-1)とT細胞受容体(TCR)の多様性指数を算出しLVA前後で比較した。リンパ浮腫群とLVA術後群のCD4陽性T細胞上のPD-1発現量(%)はそれぞれ30.7と27.1であった。TCRの多様性指数はそれぞれ44.1と200.5であった。LVA後には疲弊因子の発現が減少し、TCRの多様性が回復したことから免疫能が改善されることが示唆された。
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自由記述の分野 |
リンパ浮腫
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はヒトリンパ浮腫を対象とした免疫系に関する初めての研究である。リンパ浮腫におけるT細胞の疲弊化とクローンの多様性低下を指摘し、長らく不明だった免疫不全状態の原因の一端を解明した。また、Th1、Th17細胞の増加がリンパ浮腫の進展に関与している可能性を指摘し、従来のTh2のみでない様々な炎症性T細胞に注目する必要があることを提議した。更にLVAがリンパ浮腫のT細胞に与える影響に関しても初めて報告し、LVAの浮腫改善効果のみではない免疫上の有用性を示した。リンパ浮腫における免疫不全の要因とLVAがもたらす新たな有用性を基礎医学の観点からエビデンスを構築する非常に画期的な研究であると言える。
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