研究課題/領域番号 |
21K09771
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
羽多野 隆治 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 部長 (10382144)
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研究分担者 |
元村 尚嗣 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30382188)
八代 正和 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60305638)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 悪性黒色腫 / エクソソーム |
研究実績の概要 |
悪性黒色腫の治療において、原発巣切除のみならず転移巣のコントロールが重要であることに論を俟たない。しかしながら、原発巣切除後に転移巣が急速に進行してしまう症例を、申請者らは少なからず経験した。実際に、悪性黒色腫や他の悪性腫瘍において原発巣の切除が転移巣の増殖を促進するとの臨床報告は散見されていた。臨床報告のほかに、転移巣の抑制にIL15や血小板が関与しているという報告や、転移を抑制するmicroRNAレベルの報告も認める。最近では癌由来エクソソームの研究が盛んになっており、悪性黒色腫由来エクソソームが受容体型チロシンキナーゼ上皮転換を介して骨髄前駆細胞を絶えず刺激し転移先の線維芽細胞の癌関連線維芽細胞化を促して原発の癌細胞が転移しやすいようにしたり、転移先での血管新生が起こりやすいように環境を整えることがわかってきている。本研究は、悪性黒色腫のサイトカインやエクソソームを用いて原発巣と転移巣の関係を解明するものである。先行研究では、原発腫瘍細胞と転移腫瘍細胞との癌細胞間コミュニケーションに着目し、転移抑制因子として既にCXCL1を同定した。コロナ禍の影響で研究日程が大幅に遅れたものの実験は進捗しており、原発巣細胞であるB16細胞と転移巣細胞であるB16/BL6細胞のエクソソームを介した細胞間相互作用について実験中である。現在のところ、エクソソームで転移巣の抑制効果を認めており、エクソソーム内の抑制因子の解析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響で、実験に十分な時間が取れなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
原発巣細胞であるB16細胞と転移巣細胞であるB16/BL6細胞のエクソソームを用いて、エクソソーム内の因子や作用機序を探索する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年から2023年までのコロナ禍で移動制限や実験薬剤の不足などにより予定していた実験日程に遅れが生じたため。 2023年5月のコロナが5類に分類された以降から徐々に実験の進捗状況は改善しており、2024年度内には上記実験は完遂できる見込みである。
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