共役抑制因子として知られるCtBP1/2を肢芽特異的に欠損したマウスは合指症に非常によく似た表現型を示すが、どのような遺伝子ネットワークの破綻が原因となっているのかは不明のままであった。1細胞多層解析の実施により、Ctbp1/2欠損型の肢芽ではAldh1a2遺伝子の発現が有意に減少していたことから、指間細胞死を制御するレチノイン酸シグナルが不足していることが明らかとなった。そこで母獣を通して胎仔へレチノイン酸を投与したところ、指先での癒合の部分的な緩和が認められた。また、Aldh1a2の発現誘導にはHOX13が必要であるが、CtBP1/2はHOX13の下流で作用することを明らかにした。
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