研究課題/領域番号 |
21K09799
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
宇野 貴博 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50897113)
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研究分担者 |
鈴木 悠史 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (40793287)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 若返り / Parabiosis |
研究実績の概要 |
本研究の目的は老化細胞を制御する因子の同定を行うことである。 老化研究を行う際に老齢マウスと若齢マウスを接合し、血流を交差させることで若齢マウスの血液が老齢マウスに与える影響を評価するHeterochronic parabiosisという実験手法が存在する。既存のparabiosisでは皮膚同士をただ縫合することで微小循環を作成しているが、老齢マウスと若年マウスの大血管を吻合することで循環する血液量を既存モデルよりも格段に増加させた新しいparabiosisを行うことで、より若齢の因子が高齢マウスに与える影響を評価できるのではないかと考えた。ただし、本モデルの作成は非常に侵襲が大きいことから、Supermicrosurgeryを用いたモデルの標準化は困難であった。 しかしながら、より若い因子が本当に老齢マウスにより強い若返り因子を与えるのか評価するために、既存の報告よりもさらに若い1ヶ月齢のマウスと2ヶ月齢のマウスをそれぞれ老齢マウスに接合を行った。この若返りの指標は細胞老化関連分泌形質(SASP)と呼ばれるものを評価対象としたが、脳や肝臓、腎臓などのSASP因子の差を比較したところそれぞれの因子に大きな差を生じることはなかった。今回2週、1週とさらに若いマウスを試してみたが、生存が得られなかった。 より若い因子がより強い若返り効果を持つという仮説は否定される可能性がある。しかしながら、SASP因子以外にも老化を評価する指標は多く存在することから、今後多角的な評価を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大血管を吻合することで循環する血液量を既存モデルよりも格段に増加させたマウスは非常に侵襲が大きいことから、Supermicrosurgeryを用いたモデルの標準化は困難であった。 しかし、より若い因子が本当に老齢マウスにより強い若返り因子を与えるのか評価するため、若齢側の年齢を変化させたParabiosisを作成し、各因子の比較を行ったが各個体による因子の影響も考えられており、評価は困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
今回行った研究ではSASP因子の差を比較したところそれぞれの因子に大きな差を生じることはなかった。しかしながら、SASP因子以外にも老化を評価する指標は多く存在することから、今後多角的な評価を行う必要がある。 特に肺に注目している。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の影響により初年度の実験に遅れが生じたため。 今後、各種組織を個別に発現の違いを評価し検討を進める予定である。
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