ヒトやマウスは胎生中期までは皮膚損傷後の再生が可能であるが、そのメカニズムは不明である。皮膚の再生と血管新生との関連をしらべるために本研究を行った。胎仔手術によりマウス胎仔皮膚に創傷を作成して観察したところ、再生が可能な胎生13日目の創部では創内への血管新生が認められるが、胎生14日目以降では認められないことが分かった。マウス体幹部皮膚の生理的な血管新生を調べたところ、血管が形成される時期と皮膚再生が可能な時期が重なっていることが分かった。シングルセル解析の血管からも、胎生13日目までの時期は血管内皮細胞が未熟な分化段階にある可能性が示唆された。
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