研究課題/領域番号 |
21K09804
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
土佐 泰祥 昭和大学, 医学部, 教授 (60296986)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 口唇口蓋裂 / 海外医療援助 / 発展途上国 / 社会適応 / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
口唇口蓋裂に対する形成術は、先進国による海外医療援助の中でも最も多く行われる手術の1つである。対象には、未治療のまま年長児や成人をむかえている患者も含まれ、この年齢では口唇鼻の形態は劇的に改善しても、言葉に関しての改善はわずかであることが多い。そのため、患者は術後完全に社会適応ができるわけではなく、ボランティア手術が単に術者の自己満足に終わってしまっている可能性も否めない。そこで、何歳くらいまでに手術すれば、社会適応しやすいのか? 社会適応を阻む要因は何か?アジア系アフリカ人が多いマダガスカルにおいて、人種によるケロイドの発生率はどうか? 等々を知ることは、今後の医療援助を考える上で重要と考え本研究を計画した。 令和3年度には、マダガスカル共和国アンチラベにあるアベマリア病院を訪問し、現地研究協力者とともに、アンケート調査を実施する予定であった。 しかし、COVID-19の世界的パンデミックとその後の変異株の台頭により、現地への渡航は不可能な状態が継続している。Facebookなどを利用して、現地と連絡を取り合ってはいるが、当初予定の調査およびその解析には至っていない。アンケート調査であっても、その精度を落とさないためには、アベマリア病院を訪問し、現地研究協力者とともに、アンケート調査を実施することが強く望まれるところである。 COVID-19の完全収束は難しいことが予想されるが、令和4年度に、令和3年度に実施予定であった研究計画も繰り越して合わせて実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題は、アベマリア病院を訪問し、現地研究協力者とともに、アンケート調査を実施することが主要な部分となっている。ところが、COVID-19の世界的パンデミックが発生し、その後も変異株の台頭により、現地マダガスカル共和国への渡航そのものが不可能な状態が継続している。進捗状況が遅れている理由としては、このよう非常事態の状況が続き、思うように本研究課題の遂行が出来ていないことが挙げられる。
|
今後の研究の推進方策 |
インフラ整備が厳しい現地の状況を加味しながら、令和4年度に、渡航許可が降りた時点で、マダガスカル共和国アンチラベのアベマリア病院を訪問し、令和3年度に実施予定であった研究計画の繰越実施を含めて、現地研究協力者とともに、アンケート調査を実施し、研究を推進する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度には、マダガスカル共和国アンチラベにあるアベマリア病院を訪問し、現地研究協力者とともに、アンケート調査を実施する予定であり、交付額の大半は、現地訪問での調査を目的とした使用計画のものであった。しかし、COVID-19の世界的パンデミックと、その後も変異株の台頭により、現地への渡航そのものが不可能な状態が継続したため、次年度使用額が生じた。 令和3年度分は、令和4年度に移行して、渡航が可能になった時点で速やかに計画を実施する際に使用する計画である。現地は雨季と乾季があり、COVID-19の感染状況や世界情勢から適切な時期を選択して、現地へのアンケート調査を2回実施することも視野に入れる予定である。
|