研究課題/領域番号 |
21K09809
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松岡 祐貴 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (80850122)
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研究分担者 |
覚道 奈津子 関西医科大学, 医学部, 教授 (00509490)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 血管スパズム / 動脈硬化 / マイクロサージャリー / 血管拡張薬 / 再建外科 |
研究実績の概要 |
計画1: 2021年度アデニン、ビタミンD添加食で、ラット大腿動脈に石灰化型動脈硬化を誘発することができた。このモデルは、臨床的に血管リスクの高い例での血管吻合手術の適応を検討するために有用な動物モデルとなると考えている。 計画 2:計画1の動脈硬化モデルでの血管スパズムの評価を2022年度に行った。形成外科では顕微鏡下血管吻合を行う手術において血管攣縮(異常収縮:spasm:スパズム)が生じ血行障害をきたすことがあり,改善がなければ手術の失敗に直結する。動脈硬化リスクの高い症例において手術中に血管スパズムが生じやすく、従来のスパズム抑制薬では解除されにくいという印象はあるが、動脈硬化とスパズムに関連した研究は少なく、その関連は明らかにはなっていない。脳血管分野や心臓血管分野では血管スパズムと動脈硬化(血管リモデリング)との関連の指摘はされているが、その数は少ない。計画2では、動脈硬化ラット大腿動脈を用いて血管スパズムの誘発・解除の評価を行い、動脈硬化が血管スパズムのリスクになりうるのかどうかを検討した。実験方法:吸入+腹腔内注射で麻酔下に行い、鼠径部の皮膚切開し皮下を剥離して血管を露出し血管径を測定した。0.1%エピネフリンを0.1ml血管外投与し血管スパズムを誘発し5分間の血流変化と5分後の血管径を測定し、4%リドカイン0.2ml血管外投与し血管スパズムを解除し5分間の血流変化と5分後の血管径を測定した。血管径の変化率と血流の経時的変化をコントロール群と動脈硬化群で比較した。動脈硬化群において、リドカインによって血管スパズムを改善させる効果が乏しかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験は終了した。
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今後の研究の推進方策 |
実験データの解析を行い、第32回日本形成外科学会基礎学術集会、Plastic Surgery The Meeting 2023にむけて資料を作成し、論文投稿の準備を行う。
前回はスパズムの治療薬としてリドカインを用いたが、作成した動脈硬化スパズムモデルラットを用いて、他の血管拡張薬を使用した検討を考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響等で、ラット麻酔薬等、納品までに時間を要するものがあり、その分一部の物品購入が遅延していたため。 追加の血管拡張薬を用いた実験にて、使用を予定している。
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