研究課題/領域番号 |
21K09812
|
研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
安村 和則 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (40351621)
|
研究分担者 |
鍵本 慎太郎 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (10737480)
矢吹 雄一郎 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30610357)
小林 眞司 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (90464536)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 軟骨再生 / 回転培養法 |
研究実績の概要 |
頭蓋・顔面領域の組織変形に対する自家軟骨組織移植には、軟骨採取に伴う高度侵襲や量的制約などの問題がある。新規治療法としてヒト弾性軟骨細胞を用いた再生療法に対する期待が高まっているが、現在まで試験管内において、そのまま移植することができる軟骨組織を再構成することはできていない。我々はヒト耳介軟骨膜に存在する弾性軟骨前駆細胞を同定し、低速回転浮遊培養技術にて試験管内で足場材料を用いずに軟骨組織を再構成することに成功したが、この軟骨組織は組織学的にやや未成熟であった。我々はこの問題を解決するために、世界的にも全く行われていない高速回転培養法を考案し試験管内で成熟軟骨組織を再構成することを試みている。低速回転浮遊培養法と高速回転培養法は全く別の基盤技術である。低速回転浮遊培養法は一般的に疑似微小重力培養と呼ばれ、細胞にかかるGは0.01g以下である。一方、高速回転培養法の至適回転数を含めた詳細は未確定である。 本研究の目的は、ヒト軟骨前駆細胞由来のヒト軟骨組織を再構成するために高速回転培養法の細胞操作基盤技術を開発することである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低速回転浮遊培養法に用いられる装置を改良し、100rpm(数G程度)を達成した。 高速回転時の熱量も抑えられ、インキュベーター内の温度も上昇することなく、順調に培養できている。
|
今後の研究の推進方策 |
高速回転培養法における装置の改良および至適回転数の最適化を図るとともに、高速回転培養法の基盤技術を確立するために、培地・サイトカインの最適化を図る。 その後に、高速回転培養法により再構築されたヒト由来軟骨組織の評価法(サイズ、重量、組織学的検討およびヤング率を含めた硬度計測)の検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で多少研究が遅滞したため。残額は細胞培養のための培地を購入予定である。
|