研究課題/領域番号 |
21K09825
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹野 泰之 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30196191)
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研究分担者 |
Yang MuChen 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50886447)
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
矢尾 育子 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (60399681)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MMP-2欠損マウス / 分析走査電子顕微鏡 / 骨 / 石灰化 |
研究実績の概要 |
骨の発生過程で、MMP-2による基質タンパクの分解は石灰化、すなわちミネラル結晶の沈着と成長を進行させ、骨基質を成熟させる。一方、骨の修復過程(再生過程)については知見が乏しい。本研究では、MMP-2欠損マウスを用いて、修復骨(再生骨)のタンパク構成すなわちプロテオームを質量顕微鏡で、ミネラル構成すなわちミネラロームを分析走査電子顕微鏡で、それぞれ可視化し、MMP-2欠損マウスと野生型マウスにおける修復骨の石灰化と成熟を検討することを目的とした。この際、MMP-2欠損マウスの再生骨で分解されずに残存し、野生型マウスで分解される基質タンパクを画像上で選択して同定し、石灰化における基質タンパクの役割を解析する計画とした。 理研バイオリソース研究センター(理研BRC)から導入し、本学の動物実験施設における検疫を経て、研究代表者等の研究グループで繁殖をしているMMP-2欠損マウス(GelA KO)を研究に利用した。当初は生後10週齢のMMP-2欠損マウス及び野生型のマウスに、全身麻酔下で頭頂骨に直径2.4mmの規格化骨欠損を作製し骨修復を検討する計画であったが、本研究の遂行過程で利用するマウスの週齢が修復骨の石灰化に大きく影響する可能性が考えられた。そのため、研究に用いる週齢を再検討することとし、その基礎とするため、若齢マウス(7週齢)と高齢マウス(25週齢)との間で、骨のミネラル構成(ミネラローム)をマイクロX線CTと分析走査電子顕微鏡で検討する実験を開始した。 生後7週齢および25週齢のMMP-2欠損マウスおよび野生型のマウスをそれぞれ11匹、計44匹を利用した。全身麻酔下に、下肢骨、頭蓋骨、上下顎骨を4%パラホルムアルデヒド、 2%グルタールアルデヒド-2%グルタールアルデヒドまたは95%エチルアルコールで固定した。繁殖期間も含め、全試料の採取に約1年間を要した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のため研究活動が制限されたことに加え、研究を遂行する予定の留学生が大学院入学後、感染症蔓延による入国制限のため、令和3年度は来日できなかったこと、また、上記のように研究に用いる週齢を再検討する必要が生じたこと等の理由で、研究計画の遂行が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度では、令和3年度に準備した生後7週齢および25週齢のMMP-2欠損および野生型のマウスの固定試料を用いて、分析走査電子顕微鏡によるエネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)、X線回折(XRD)、赤外分光法(FT-IR)等で、ミネラル結晶の組成、密度、構造等を解析し、石灰化の表現型を比較検討する。さらに一部の固定試料を10%EDTAで脱灰して包埋試料とし、アルシアン・ブルーや免疫染色を用いてプロテオグリカンを中心として細胞外マトリックスの特徴を検討する。また、MMP-2欠損マウスの頭頂骨への規格化骨欠損作製と質量顕微鏡によるプロテオーム解析の方法論を検討する。
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