研究課題/領域番号 |
21K09826
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
依田 浩子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60293213)
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研究分担者 |
入江 太朗 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (00317570)
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 糖代謝 / オートファジー / 幹細胞 / 歯髄 / エナメル上皮 |
研究実績の概要 |
本課題では歯の形態形成における糖代謝調節機構の包括的理解に向けて、エナメル上皮および歯髄幹細胞の動態と糖代謝リプログラミング制御について、オートファジーの関与に焦点を当てて解明することを目的としている。 上皮細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;KRT14-cre)では、加齢に伴いエナメル上皮幹細胞領域であるSox2陽性の切歯形成端の構造が不規則化し、18週齢の老齢マウスでは歯牙腫が発生した。その原因解明のために、Atg7f/fマウスおよびAtg7f/f;KRT14-creマウスから下顎切歯幹細胞領域(apical bud)を採取し培養した。その結果、Atg7f/f;KRT14-cre apical bud細胞は次第にコロニー形態が不規則化し、大型で不整形の細胞が出現した。また、細胞老化マーカーのp16およびp21の発現上昇が認められ、エピゲノム変化も確認された。従って、長期間にわたるオートファジー不全が幹細胞性維持を乱し、歯原性上皮細胞の腫瘍化に関与している可能性が明らかになった。 歯髄組織の発育におけるオートファジーと糖代謝制御に関しては、歯髄細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;Wnt1-cre)を作成し、生後3週齢マウスの組織学的解析を進めている。現在までに明らかな組織学的変化は確認されていないが、今後は免疫組織化学的検索および他の週齢のマウスについて解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯髄細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;Wnt1-cre)の作成が遅れていたが、無事に成功し、同マウスの組織学的解析について進行中である。上皮細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;Keratin14-cre)についても、組織学的解析はほぼ終了し、エピゲノム変異の解析も進めている。
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今後の研究の推進方策 |
歯髄細胞特異的オートファジー不全マウス(Atg7f/f;Wnt1-cre)の表現型の解析を主体に進めるとともに、歯胚器官培養系および歯髄細胞・エナメル上皮細胞を用いたin vitro系での糖代謝リプログラミングの解析を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍および台風により、学術集会がオンライン開催または中止になったため、国内旅費の参加費の支出がなくなったため。また、遺伝子改変マウスの作成がやや遅れていたため、その費用が次年度に持ち越されたため。
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