肥満に伴う慢性炎症が糖尿病やがんなどの病因として注目されている。DUSP16は肥満と慢性炎症のリンクの鍵分子として注目されているJNKの特異的活性抑制タンパクである。本研究で、DUSP16が細胞外グルコース濃度によって発現レベルが上昇し、GLUT4の発現誘導に重要な役割を果たす「エネルギーセンサー」としての働きをもつことが示された。またDUSP16は、間葉系幹細胞の脂肪分化で発現が上昇し、脂肪細胞分化の正の制御因子として働くことが明らかになった。本研究によって、糖質・脂質代謝と慢性炎症を繋ぐ因子としてのDUSP16の可能性が示唆された。
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