研究課題/領域番号 |
21K09833
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 准教授 (50407558)
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研究分担者 |
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 教授 (20295132)
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 硬組織 |
研究実績の概要 |
骨誘導因子Bone Morphogenetic Protein (BMP) は骨芽細胞の分化を誘導し、石灰化を誘起するサイトカインで、これまで硬組織再建への応用が期待されてきた。しかし、BMPの生体組織に対する反応は種によって様々であり、臨床応用のためにはBMP活性を促進することが肝要であると考えられている。これまで、BMPが誘導する骨芽細胞分化を促進させる因子としてヘパリンが報告されてきた。ヘパリンはBMPに直接作用し、細胞内SMADシグナル伝達を増強させ、骨芽細胞の分化を促進させる。我々は、BMPアンタゴニストであるコーディンとタンパク質相同性を有するKielin/Chordin-like Protein (KCP)によるBMP誘導性骨芽細胞分化に関する機能解析を行うこととした。リコンビナントKCPは筋芽細胞株C2C12細胞において、BMP2による骨芽細胞分化誘導を濃度依存的に増加させた。また、BMP2の濃度はKCPを添加することにより、より低濃度で骨芽細胞分化を誘導することが示唆された。アリザリンレッド染色による石灰化能を検討した結果、KCPはBMP2による石灰化を促進させた。現在、KCPコンベンショナルノックアウトマウスを用い、in vivoにおける硬組織形成に対する機能を解析する予定である。また、KCPのタンパク質構造において、どの領域にBMP2誘導性骨芽細胞分化促進作用が存在するか検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
筋芽細胞株C2C12におけるKCPのBMP2による骨芽細胞分化促進作用を示唆することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoでは、KCPコンベンショナルノックアウトマウスを用いた硬組織形成の解析、in vitroでは、新たに作成したKCP発現ベクターを用いた解析を行う予定である。
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