研究計画に則り、2021年度は唾液試料の収集およびマイクロバイオーム解析を実施した。 乾癬9例、多発性硬化症5例、過敏性腸症候群32例、アトピー性皮膚炎17例、健常人ボランティア14人の唾液試料の提供を受け、DNAを調製し、細菌16S rRNA遺伝子のV3-V4領域を標的としたamplicon sequencingによるNGS解析を実施した。唾液採取時に併せて採血を行い、高感度マルチプレックスELISAを用いて炎症関連サイトカインレベルを定量した。 唾液マイクロバイオーム解析は問題なく行われ、全症例の口腔細菌叢組成を明らかにした。炎症関連サイトカインレベルも問題なく定量できた。総合的な統計解析は2023年度後半の実施予定であるが、本年度症例での暫定的な解析では、健常人と比較してPrevotella属などの常在共生細菌の相対量の変化を見出した。
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