研究課題/領域番号 |
21K09850
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
永尾 潤一 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (30509047)
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研究分担者 |
岸川 咲吏 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (50781358)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯周病 / Th17細胞 / Porphyromonas gingivalis |
研究実績の概要 |
歯周病の病態形成には歯周病原細菌に対するTh17細胞による宿主の免疫応答が関与することが明らかになっている。しかしながら歯周病の病態形成に関与するTh17細胞の分化の制御機構は不明な点が多く残されている。本年度は、歯周病原細菌が口腔から腸管に到達し、腸管粘膜免疫系を介して歯周病原細菌応答性Th17細胞が活性化した後、口腔に移動することで歯周病の病態を形成するという、口腔と腸管の免疫ネットワークによる病態形成機構をCell Reports誌に報告した。また、歯周病原細菌応答性Th17細胞の誘導に関与する抗原ペプチド、および責任Th17細胞のT細胞受容体レパートリーの候補を絞り込むことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに口腔と腸管のTh17細胞によるネットワークによる歯周病の病態形成機構を論文として報告することができた。また、これまでに歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisを対象として、歯周病の病態形成に関わるTh17細胞を誘導する抗原ペプチド、および責任Th17細胞のT細胞受容体レパートリーの候補を絞り込むことができている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って研究を推進していく。絞り込んだ抗原ペプチド投与による歯周病の病態形成をP. gingivalis感染によるマウス歯周病モデルにより検証する。また、これまでに絞り込んだ責任Th17細胞のT細胞受容体のα鎖とβ鎖の遺伝子をT細胞株に発現させる系を構築し、抗原提示細胞とP. gingivalis由来の抗原で刺激することで抗原特異的な応答に関与するかを検証する。抗原特異性が確認されたら、T細胞受容体のトランスジェニックマウスを作製に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね計画通りに順調に進行しており、次年度に残額は使用する予定である。
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