研究課題/領域番号 |
21K09853
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 匡 東北大学, 歯学研究科, 講師 (40637964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 嚥下障害 |
研究実績の概要 |
嚥下障害は、低栄養や誤嚥性肺炎などを引き起こす原因になるため、超高齢社会においては重要な問題となることもある。パーキンソン病は高齢者に多く発症する病気のひとつであり、脳内のニューロンの細胞体にalpha-synucleinが異常に凝集することが知られている。また、パーキンソン病ではその初期から嚥下障害が発症することも知られている。これまでに、ノーマルの動物を用いた研究で、迷走神経や舌咽神経の神経節の一次感覚ニューロンにalpha-synucleinが発現しており、咽頭やその周囲にalpha-synuclein陽性神経線維が分布していることを報告してきた。そこで本研究では、パーキンソン病における摂食嚥下障害の発生メカニズムの解明を目的としている。本年度はまず、alpha-synuclein陽性神経線維の分布を詳細に調べるためノーマルラットを用いて口腔およびその周囲におけるalpha-synuclein陽性神経線維の分布について免疫染色法を用いて調べた。その結果、唾液腺内にalpha-synuclein陽性神経線維が分布しており、それらの神経線維は血管周囲や腺房周囲にも分布していることがわかった。そこで、これらの神経線維の成分を調べるために各種抗体を用いて蛍光二重染色を実施したところ、alpha-synuclein陽性神経線維の一部は自律神経系由来である可能性が示唆された。そこで、唾液腺に分布する自律神経系の細胞体を有する自律神経節を確認し、その神経節についても免疫染色法ならびに蛍光二重染色法でニューロンでの発現分布を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により、一部の実験に遅れがみられている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本年得られた結果をもとに、蛍光二重染色の追加実験の実施や追加のデータ解析をまずは実施する。得られた結果をもとに、学会発表をおこなう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、一部の実験に遅れがみられたことにより、消耗品の購入が次年度へ繰り越された。 次年度予算と合わせて使用する予定である。
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