研究課題/領域番号 |
21K09864
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
福田 信治 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70398238)
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研究分担者 |
横川 慧 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (40804406)
鈴木 崇弘 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70298545)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 増殖因子 / EGFファミリー |
研究実績の概要 |
口腔がんの発生頻度と罹患率は高齢化に伴い増加しており、この傾向はさらなる高齢化に伴い確実に悪化する。原発巣の口腔がんはアクセスのしやすさから外科治療が中心であるが、転移や再発に関しては、口腔がんの分子基盤自体に関する理解をさらに進める必要がある。細胞外の増殖因子は受容体を介して細胞内にシグナルを入力し、細胞内の分子群が核へのシグナル伝達を担う。膜型増殖因子EGFファミリーはこのシグナル伝達の起点となる分子であり、可溶型、膜結合型(膜貫通型)の両方で作用することが可能なため、口腔がん細胞と周辺細胞との相互作用において重要な役割を果たす。本研究はEGFファミリーに属するTGFalpha, HB-EGF, Amphiregulinに着目し、生物発光イメージングによって、これら分子の分泌動態を解析することを目的とする。 EGFファミリー3分子はいずれも細胞表面で分泌する様子を呈し、特に細胞が培養皿と接している接着班に強く局在した。また細胞膜上でのプロセシングを薬剤によって人為的に促進すると、可溶型への変換が認められた。この結果は、がん細胞が周囲の繊維芽細胞と接している共培養において、細胞間相互作用に重要な役割を果たす可能性を示唆する。 本研究と関連して、歯肉がんと骨との観点から、同発光システムを使った骨関連タンパク質の分泌解析を行った。さらにAmphiregulinについてはドイツとの共同研究により、メラノーマにおける抗がん剤耐性の分子機構に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レトロウイルス発現系によるEGFファミリー分子の生物発光プローブ構築と遺伝子導入を行った。ルミノメーターによる測定は十分であったが、一過性発現と比較して発現量が低かった。このため発光イメージングには検出感度が不十分であり、安定株の樹立に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
TGFalpha, HB-EGF, Amphiregulinの3者が分泌に関してどのように異なるか、また細胞膜上の切断(ectodomain shedding)について、3者の相違点を詳細に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
イメージングに耐える発現量の細胞樹立に時間を要しており、イメージング実験に用いる発光試薬を次年度使用とした。また遺伝子導入自体は昨年度の試薬の残量に少し余裕があり、今年度に持ち越した。
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