研究課題/領域番号 |
21K09867
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
久保 亜抄子 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特別協力研究員 (70733202)
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研究分担者 |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 教授 (00300830)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 酸性化 / サテライトグリア / 細胞環境 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、サテライトグリアの活性化と神経節細胞の興奮性変調の機能連関を解明するために、今年度は以下の点について研究を実施した。 1.サテライトグリア細胞内水素イオン濃度のイメージング解析:昨年度、チャネルロドプシンの発現量が低く、うまく細胞内水素イオン濃度の変化を定量できなかったため、今年度は導入するアデノ随伴ウィルスベクター(AAV)を増量して実験を行った。三叉神経節にAAVを注入したラットから作製した三叉神経スライス標本に対し、水素イオン感受性蛍光色素を導入し、共焦点レーザー顕微鏡を使用してサテライトグリア細胞内水素イオン濃度の変化を解析した。光照射前後の画像を解析し、校正により刺激前後の水素イオン濃度を算出した結果、光照射前は7.0±0.92、光照射後は5.7±1.7となり、光照射により細胞内水素イオン濃度は有意に低下することが示された。 2.培養サテライトグリアから放出されるグルタミン酸の解析:新生ラットから取り出したサテライトグリア培養細胞を刺激して、細胞外液中のグルタミンおよびグルタミン酸量を測定した。BzATPを添加する前後の細胞外グルタミン酸量を比較した結果、添加後には細胞外液中のグルタミン酸量は増加したが、vehicle投与群と比較して差はなかった。この結果からサテライドグリアは常時グルタミン酸を放出しており、BzATP刺激による放出の増加は本方法では検出できないことがわかった。 3.サテライトグリアの光活性化による神経細胞の興奮性変化:チャネルロドプシンをサテライトグリアに発現させた三叉神経節内の神経節細胞からパッチクランプ記録を行った。光照射により三叉神経節細胞の基電流は低下し、興奮性が上昇した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は細胞内の酸性化を示すことができ、また培養細胞を用いた実験も進めることができた。スライス標本からのパッチクランプ記録数も順調に増加できている。以上のことから研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も交付申請書に記載した「研究目的・研究方法」に沿って研究を推進していく。培養サテライトグリアに対し、チャネルロドプシンを発現させ、光照射によりサテライトグリア細胞から放出されるグルタミン酸量を測定する。さらに光照射後のGFAP発現量の変化を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 今年度は光照射用カニューラの購入が不要となったため。 (使用計画) 2023年度分として請求した助成金と合わせて、実験用動物や抗体の購入費用としての使用を計画している。さらに所属部署の変更に伴い、追加で購入する必要が出てきた物品の購入を予定している。
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