研究課題/領域番号 |
21K09886
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
安田 忠司 朝日大学, 歯学部, 講師 (00410473)
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研究分担者 |
佐藤 匠 朝日大学, 歯学部, 助教 (10876519)
辰巳 順一 朝日大学, 歯学部, 教授 (60227105)
清水 雄太 朝日大学, 歯学部, 助教 (30875901)
伊神 裕高 朝日大学, 歯学部, 助教 (40973425)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サルコペニア |
研究実績の概要 |
加齢に伴う身体機能の低下は社会的にも問題となっているが、加齢に歯周病が関与することによってフレイルが進行するのかは未だ明らかになっていない部分が多い。近年の研究から身体活動の低下や加齢ホルモンの変化による持続的な慢性炎症が生じると筋タンパク質分解が促進し炎症性サイトカインが筋萎縮の起点となり, 筋衛星細胞の減少, 機能低下につながることが知られている。しかしながら、歯周炎が骨格筋に及ぼす影響を調べた研究報告は少ない。そこで今回我々は、絹糸をマウスの歯に結紮させ惹起させた実験的歯周炎が、骨格筋である腓腹筋におよぼす影響について解析した。【結果】1) マイクロ CT 解析 : 対照群と比較して実験群では上顎第二臼歯周囲の歯槽骨吸収が惹起されている像が観察された。2) 歯周組織の組織学的解析 : 対照群と比較して実験群では歯槽骨にTRAP 陽性破骨細胞の増加が観察された。3)腓腹筋の組織学的解析 :対照群と比較して実験群では筋肉の萎縮が亢進した。4)ウエスタンブロッティング :対照群と比較し実験群ではAtrogin-1、MuRFの発現が亢進した。【考察】WatanabeらはPorphyromonas. gingivalis嚥下感染モデルマウスを用いて骨格筋の影響を調べたところ ヒラメ筋では有意に脂肪化が亢進していることを報告している。今回、実験的歯周炎モデルマウスの腓腹筋に及ぼす影響を調べた結果、組織学的評価から筋肉の萎縮を示し、ウエスタンブロッティングの結果から筋萎縮関連分子の発現が亢進した。【結論】マウス実験的歯周炎モデルにおいて歯周炎は筋肉の萎縮に関連するリスク因子である可能性が示唆された。
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