研究課題/領域番号 |
21K09889
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
北迫 勇一 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30361702)
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研究分担者 |
岩切 勝彦 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50221099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 胃食道逆流症疾患 / GERD / 酸蝕症 / 唾液 / 医科歯科連携 |
研究実績の概要 |
口腔と胃は食道を通じてつながり合う近接し消化器官であるが、医科・歯科では別々の患者を対象に診療や臨床研究が行われているため、口腔・胃食道領域における診療体制や臨床研究に連携不足が生じる。また、歯科疾患がう蝕だけでなく歯周病等多様性を呈するのと同様に、胃食道逆流症疾患も、逆流性食道炎だけではなく、食道粘膜傷害を有さない非びらん性胃食道逆流症(NERD)など様々な病態を呈するため、多様性をも考慮した両疾患の関連性を検討する必要があり、医科・歯科各々専門家による連携が必須となる。このため、現状では、胃食道逆流症疾患(GERD)ならびに歯の酸蝕症における、各々の症状(重症度)や多様性に応じた関連性は不明な点が多い。 そこで本研究では、胃食道逆流症疾患(GERD)と歯の酸蝕症との関連性の解明と、同領域における医科歯科連携の構築を目指し、同一被験者を対象として、医科による内視鏡検査、歯科による口腔内評価を実施する。また両疾患ともに、生活習慣・唾液保護作用が重要であることから、医科・歯科共同の生活習慣のアンケート調査ならびに唾液検査を行う。 本研究より、胃食道逆流症疾患・酸蝕症の罹患有無および両疾患の重症度・多様性を考慮した関連性が明らかになれば、口腔・胃食道領域における医科歯科連携構築が進む。また、両疾患ともに生活習慣ならびに唾液による保護作用が重要であることから、生活習慣調査および唾液検査を実施する。両疾患のリスク因子や重症度を示す生活習慣調査・唾液データが構築できれば、医療者は勿論、医科患者だけでなく、歯科患者にも有益な疾患予防情報が提供されるため波及効果が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍における臨床研究のため、感染状況に応じて中断を余儀なくされることがあるが、感染対策を講じた上で断続的に研究を進めている。評価項目である医科臨床データ(内視鏡画像・胃食道逆流症疾患評価)、歯科臨床データ(口腔内写真・酸蝕症評価)、生活習慣調査および唾液検査に関し、当初の目標集積症例数300症例に対し、現在までに270症例集積している。ただし、被験者が自宅で複数回唾液サンプルを自ら採取し、検査日に持参する必要がある唾液ペプシン濃度評価は、コロナ感染対策の観点からその実施が見送られている。同唾液評価の実施に関しては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後も、慎重な対応が求めれており、実施開始までに時間を要する状況が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、コロナ禍における臨床研究のため、感染状況に応じて中断を余儀なくされることがある。また、被験者が自宅で複数回唾液採取し、検査日に持参する必要がある唾液ペプシン濃度評価は、コロナ感染対策の観点からその実施が見送られている。同唾液評価の実施に関しては、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後も、慎重な対応が求めれており、実施開始までに時間を要する状況が続いている。しかしながら、唾液ペプシン評価は、本研究の主たる目的ではなく、それ以外の臨床研究データは集積され、分析・考察が進められている。昨年度、国内医科学会にて本研究課題に関する内容は学会発表済みのため、今後は論文作成・投稿を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者が分担金未執行のため。次年度は計画通りに執行予定。
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