研究課題/領域番号 |
21K09903
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
出分 菜々衣 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (40747268)
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研究分担者 |
吉成 伸夫 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20231699)
吉田 明弘 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20364151)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔細菌叢 / 腸内細菌叢 / 100歳以上 / 80歳以上 / 施設入居者 |
研究実績の概要 |
本研究では,100歳以上と80歳以上それぞれを自立度で分類し,それぞれの腸内および口腔細菌叢の構成を明らかにすることを目的とする. 初年度は,ベースライン時の対象者のサンプル収集を行った.Barthel index(BI)が60未満の自立度の低い100歳代8名と80歳代10名,自立した80歳者10名から唾液と糞便を採取し,歯数や義歯使用状況を評価した.さらに,日常生活動作(BI),認知機能(MMSE),栄養状態(MNA-SF)を評価した.これらの調査は,歯科医師1名が実施した. これまでの結果を示す.自立度の低いと80歳代10名および100歳代8名とを比較すると,80歳代が10.7±8.8本,100歳代が5.1±5.2本であった(p=0.059).しかし,100歳代は8名中7名が義歯を使用しており,食事時の臼歯部の咬合状態は回復していた.また,MNA-SFは80歳代が8.2±1.9,100歳代が7.8±1.5であり有意差がなかった(p=0.60).栄養評価では8から11ポイントは“低栄養のおそれあり”の評価であるが,ほぼ同等であった.これは義歯により臼歯部咬合の回復が関係しているのではないかと考えられる.また,自立度の低い80歳代10名と自立した80歳代10名の比較では,自立度低群では10.7±8.8本,自立度高群では10.6±7.5本であった(p=0.98).義歯使用者は自立度低群では6名,自立度高群では7名(p=0.99)で義歯の使用状況は同様であった.しかし,MNA-SFは自立度低群は8.2±1.9,自立度高群は11.9±1.3であり有意に自立度高群の栄養状態が良好であり,自立度による差が顕著であった(p<0.001).よって,来年度はこれらの群の口腔細菌叢や腸内細菌叢の差を分析する.さらに,1年間の発熱日数,転帰についての調査を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は,コロナ禍での調査となった.感染対策に細心の注意を払い,高齢者施設でのサンプル収集を行ったため,当初の計画よりも時間を要した.本研究の実施前には対象者の選定を終えていたが100歳以上の対象者の中には体調不良により参加できない方もいた.
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今後の研究の推進方策 |
ベースライン調査にて収集したサンプルより,高齢者の口腔内および腸内細菌叢の分析を行う.また来年度は,追跡1年目としての高齢者の発熱日数,転帰についての調査を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に,コロナ禍でのサンプル収集で進捗がやや遅れた.よって,初年度に菌叢解析を実施しなかったので,来年度はベースライン調査にて収集したサンプルより,高齢者の口腔内および腸内細菌叢の分析を行うために使用する.
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