研究実績の概要 |
神経伝達物質の一つであるドーパミンは抗原提示相に作用すると、未熟CD4+T細胞から寄生虫感染防御のためのTh2と細胞外細菌進入防御のためのTh17を誘導する。不適切なTh2,Th17応答はそれぞれアレルギー疾患や好中球性炎症の発症を誘導するが、ドーパミンD1様受容体拮抗薬であるSCH23390がTh2応答およびTh17応答を抑制し様々な好中球性炎症の病態を改善させる事を明らかにした。3種類のドーパミンD2様受容体(D2, D3, D4) の中で、ドーパミンD2受容体に焦点を当てドーパミンD2受容体の活性化による好中球性炎症抑制機構を解析する事を計画しドーパミンD2受容体シグナルによる炎症性サイトカイン抑制メカニズムの解析を行った。今年度は①イムノシナプスにおけるドーパミンD2受容体の機能解析、②ドーパミンD2受容体アゴニストによる歯周病に対する効能解析、③IL-31産生への影響の解析、④COVID-19におけるIL-8産生性T細胞応答への影響の解析を行った。
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