研究課題/領域番号 |
21K09928
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松井 桂子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00302159)
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研究分担者 |
鎌倉 慎治 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80224640)
江副 祐史 東北大学, 大学病院, 助教 (50755171)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | リン酸八(オクタ)カルシウム・コラーゲン複合体 / 人工的骨欠損 / 歯根膜再生 / 歯周組織再生 / 骨再生 / 天然歯根 / ビーグル犬 |
研究実績の概要 |
口腔外科領域の顎骨欠損部における骨再生材料,リン酸八(オクタ)カルシウム(octacalcium phosphate;OCP)とブタ皮膚由来アテロコラーゲンを複合化したOCP/Collagen 複合体(OCP/Col:商品名Bonarc)は,本研究グループの系統的なトランスレーショナルリサーチの成果により,2022年6月から上市されている.しかし,これまで本材料の優秀な骨再生能は確認してきたが,再生骨と天然歯根との関係について検討されていなかった. 顎骨腫瘍や嚢胞などの摘出後は骨欠損部となり,隣在する天然歯は骨支持を失い動揺により抜去を余儀なくされる.それは患者の咬合崩壊を招きQOLを著しく低下させる.そこで本研究では病巣摘出と同時に埋入したOCP/Colにより歯周組織が再生され,歯が保存可能となるか,再生骨と天然歯根の親和性確認のため立案された. 本課題は,ビーグル犬を用い下顎前臼歯部歯根周囲の骨欠損を作製し,OCP/Col埋入群と対照の非埋入群を評価した.実験の概要は,左側下顎骨下縁下方部にて外側皮膚を切開し,鈍的に軟組織を剥離,下顎骨下縁から口腔内前臼歯部辺縁歯肉歯槽頂縁から約5mm下方の付着歯肉下底部の高さまで下顎骨を露出させ,下顎第3・4前臼歯歯根の側面部まで骨開削し,幅約3mm×近遠心約25mmの帯状に人工的骨欠損を作製した.同部にOCP/Col埋入, 非埋入で創部を閉鎖し,3か月間経過観察後に摘出した標本についてX線学的,組織学的に評価した. OCP/Col埋入群では骨欠損部に充分な新生骨がみられ,歯根との境界は既存の健常歯根膜腔と連続する一定の空隙を保持していた.同部組織学的に新生骨と相対する歯根表面に新生セメント質を認め,結合組織性付着に関与する歯根膜の再生がみられた.非埋入群では,骨開削した骨欠損部を,回復するような骨再生はみられなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りに,実験は実施された.
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今後の研究の推進方策 |
本実験結果を分析評価し,成果報告の論文発表予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究成果について,海外論文投稿料を確保しているため.
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