研究課題/領域番号 |
21K09929
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
工藤 忠明 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50431606)
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研究分担者 |
洪 光 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70363083)
野口 拓也 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (20431893)
林 陽平 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00588056)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 神経細胞分化 / 骨芽細胞分化 / 微細振動刺激 / PC12 / MC3T3-E1 |
研究実績の概要 |
我々は最近、神経分化モデルPC12細胞やその派生株(PC12-P1F1)に対し、周波数制御式反復微細振動(FRMV)依存的に神経細胞分化を誘導する方法を考案した。しかし、その分子機序は不明であり、他の細胞分化モデルへの汎用性の検討も不十分であった。そこで本年度研究では、FRMVの汎用性の検討のため、特にFRMVによる骨芽細胞分化誘導法に関する技術的検討ならびに分子機序を解明するための検討を行った。 [方法]昨年度に続き、骨芽細胞分化誘導モデルとしてMC3T3-E1細胞を播種したプレートを微細振動装置にセットし、分化を誘導するため、設定可能な範囲で様々な条件のFRMV処理を行った。今年度は、昨年度までにほぼ確立したFRMV依存性分化誘導条件下における、アルカリホスファターゼアッセイとリアルタイムPCRによる分化マーカー遺伝子の発現解析を用いて骨芽細胞分化を定量的に評価した。 [成果]FRMVによる骨芽細胞分化をALPアッセイにて評価したところ、刺激条件により分化効率に統計的有意差があることが分かった。また、FRMV時激後のMC3T3-E1細胞におけるALP活性の経時的変化が明らかとなった。また、PCR法により分化マーカー遺伝子を評価したところ、ALP遺伝子およびSp7遺伝子の遺伝子発現レベルが、FRMVにより統計的有意に上昇することが明らかとなった。これらの遺伝子発現上昇は、BMPシグナル阻害剤の併用により強く抑制を受けたことから、FRMV依存性骨芽細胞分化にはBMPシグナル経路が重要な役割を担うことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題においてはFRMVによる細胞分化誘導法の確立とそのメカニズムの解明および汎用性の調査を当初からめざしている。これらの観点からみて本研究は新知見を次々と蓄積しつつあるため、本研究は順調に推移しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施した、FRMVによる骨芽細胞分化誘導の解析を通じたFRMVの汎用性の検討を中心とした実験を次年度もさらに進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は、本年度の研究計画が順調に進展し、当初計画より消耗品の使用量が減少したためである。次年度に予定している購入する予定の消耗品の拡充および学会出張費用に充て、次年度におけるより効率的な研究の実施を目指す。
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