現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,骨膜を用いて垂直方向の骨再生に対する再生誘導能を検討した。具体的には,チタンメンブレンの透過孔のサイズを変化させ,骨膜によって誘導される円筒内の垂直方向の骨再生を検討した。さらに,円筒内に炭酸アパタイトを填入し, ミクロ透過孔を有するMicro Ti メンブレンと既存のMacro Tiメンブレンの影響を検討した。マイクロCT 観察では新生骨様組織と思われる不透過像が経日的増加を認めたが, 群間に統計学的有意差は認められなかった。 組織学的評価では両群ともに骨補填材の吸収を認めず,複数の顆粒が凝集した周囲に新生骨像を認めた。 両群において筒状プラスチック内部への軟組織侵入を認め, Macro Ti群では顕著に認められた。 また, 血管の平均サイズはMacro Ti群よりMicroTi群が有意に小さかった。 これらの結果より,垂直方向の骨再再生は,骨膜とミクロ透過孔を有するチタンメンブレンの組み合わせによって,軟組織侵入が少なくなり, 血管新生や微小血管血流が維持され, 垂直方向への再生に有効であることがわかった。この結果は今後の研究で,垂直方向の骨再生には骨膜を有効応用できることが示され研究の方向性が示されたと考える。したがって概ね順調に研究は進展している。
|