研究課題
昨年度より複数層のスキャホールドにおける細胞生存の検討を引き続き行うとともに微小重力環境におけるマウス前骨芽細胞株と ラット頭蓋冠由来前骨芽細胞の挙動の比較を行った。また移植モデルとしてのラット骨欠損モデルの作成とサンプル採取方法及び組織解析のための評価方法の確立を行った。複数濃度のスキャホールドに細胞播種を試みるとともに、既存のコラーゲンスポンジ内における微小重力環境での前骨芽細胞分化の挙動を観察することとした。通常培地またはアスコルビン酸、βグリセロリン酸、デキサメサゾンを含む石灰化誘導培地にて培養し、微小重力環境下にて前骨芽細胞の3週間の長期培養を行ない、アリザリンレッドにて石灰化結節の有無によって評価した。結果通常培地で培養し微小重力環境下においた際、前骨芽細胞の石灰化結節の形成は通常重力に比較して結節形成が抑制されることが観察された。一方スキャホールドの解析は、低濃度にすることで細胞の生存の確認が困難を極めたため、既存のコラーゲンスポンジを用いることに計画を変更することとした。通常培地に浸漬し、前骨芽細胞を吸着した微小重力環境で培養を試みたが、回転させるフラスコにスキャホールドが接することにより摩擦でスキャホールドが崩壊することが認められたため現在培養方法を再検討している。今後スキャホールド内の細胞の定着と生存が確認できれば、抜歯窩のラット骨欠損モデルに移植を行う予定である。
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Regenerative Therapy
巻: 24 ページ: 377-384
10.1016/j.reth.2023.08.006. eCollection 2023 Dec.