研究課題/領域番号 |
21K09952
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
武知 正晃 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 歯科医師 (00304535)
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研究分担者 |
太田 耕司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20335681)
中川 貴之 広島大学, 病院(歯), 助教 (30456230)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨補填材 / ビスホスホネート / 顎骨壊死 |
研究実績の概要 |
最終年度は主に骨補填材を埋植したラットへBPを投与し新生骨の形成や骨補填材の吸収・置換に関する組織学的評価を行った。具体的にはWラット頭蓋骨に骨欠損を作製し、同部に4種の骨補填材(β-TCP、Bio-Oss、CO3ApおよびIP-CHA)を用いて検討を行うを埋植し、4週間の治癒期間の後にアレンドロン酸、ゾレドロン酸、生理食塩液の3群に分け、インプラント周囲の新生骨の形成について経時的に組織学的評価をした。さらに移植材内部の新生血管や周囲組織の炎症細胞浸潤の程度も詳細に評価した。その結果、すべての骨補填材において、アレンドロン酸、ゾレドロン酸の群は、経時的に(4W、8W、12W)インプラント周囲の新生骨量は徐々に増加傾向であったが、生理食塩液の群と比較すると全体的にインプラント周囲の新生骨量は少なかった。また移植内部の新生血管も少なく、周囲組織の炎症細胞の浸潤は比較的に多かった。すべてのラットはsacrifice前に後大静脈より5 mlの血液を採取し、血清生化学的な評価を行ったが、全身的な炎症マーカーの上昇がみられたが、顎骨壊死に関する異常な値は認められなかった。 研究期間全体を通じて、本研究ではBPに曝露された顎骨が歯科インプラント治療に及ぼす影響、また異なる骨補填材を用いた骨再生療法へのBPの影響を検討し、様々な知見が得られたため、今後、骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(ARONJ)発症リスクを勘案した骨補填材の使用に関して重要な示唆をもたらすと期待できた。
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