研究課題/領域番号 |
21K09954
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
瀬名 浩太郎 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60701117)
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研究分担者 |
古江 きらら 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10813157) [辞退]
野口 和行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90218298)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯周疾患 / 歯根膜幹由来細胞 / 成長因子 |
研究実績の概要 |
歯周疾患は我が国においても極めて高い罹患率を示す口腔疾患であり、歯周疾患の病態メカニズムの解明により導かれる新規の予防法、診断法や治療法の社会的意義は極めて高いと考えられる。歯周病により破壊される歯周組織は歯槽骨、セメント質、歯根膜、歯肉といった複数の異なる組織によって構成される。歯根膜中に存在する歯根膜細胞には新たな骨・セメント質・歯根膜に分化しうる歯根膜由来幹細胞が存在しており、歯周組織の恒常性の維持や歯周組織の再生に関与することが知られている。 Growth Differentiation Factor 6(GDF6)は歯根形成期に歯周組織を構成する細胞で発現している成長因子であり、加齢によりの歯周組織での発現が低下し、in vitroの所見では歯根膜線維芽細胞の老化とともにGDF6の発現の低下と細胞老化関連分泌現象分子の発現の亢進を認めた。これらのことから成体の歯周治療における歯周組織の修復・再生でもGDF6の関与が推測されるが、歯周組織におけるGDF6の機能は不明である。従って、本研究は歯周組織を構成する歯根膜および歯槽骨におけるGDF6の機能を解明し、GDF6を応用した歯周病の新規の修復・再生療法の開発のための研究基盤の確立を目的としている。 初年度は培養歯根膜由来細胞および骨髄由来間葉系幹細胞におけるGDF6の影響を遺伝学的に解析し、他のBMPと比較し、GDF6では異なる遺伝子群の制御が認められた。令和4年度は従来、骨分化誘導能が低いと考えられていたGDF6が間葉系幹細胞の骨芽細胞様細胞への分化誘導能を有することが認められた。今回得られた知見より、GDF6は歯周組織の恒常性の維持や歯周組織の再生において、他のBMPとは異なる役割を果たしていると推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動に関わり、研究が遅れているが、次年度以降引き続き研究を遂行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に行った実験の結果より、従来、骨分化誘導能が低いと考えられていたGDF6が間葉系幹細胞の骨芽細胞様細胞への分化誘導能を有することが認められた。この研究結果を受けて、歯周組織を構成する細胞におけるGDF6の機能解析に関わる研究を令和5年度に引き続き遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の異動により研究の実施が遅れたため。また、参加を予定していた学会に参加出来なかったため。移動先で予定している研究を遂行するため消耗品代をその分多く計上する。
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