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2022 年度 実施状況報告書

チタン上のプロテオグリカン層がオッセオインテグレーション獲得に果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K09955
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

土屋 周平  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20569785)

研究分担者 黒田 健介  名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任教授 (00283408)
加藤 伸一郎  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60836683)
本田 雅規  愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70361623)
渋谷 恭之  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90335430)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード二酸化チタン / オッセオインテグレーション / O結合型糖鎖 / N結合型糖鎖
研究実績の概要

O結合型糖鎖をアミノ酸に修飾するキシロシルトランスフェラーゼ(XylT)-1および-2のヒト骨髄由来間葉系幹細胞(BMSCs)の遺伝子発現をRNA干渉技術でノックダウンした。これらの細胞は、チタン板上で培養したところ細胞増殖能、骨形成能、骨形成関連遺伝子発現が有意に低下した。一方、XylT-1および-2遺伝子発現が低下したBMSCsは、IDO、IL-6、IL-10などBMSCsの免疫能に影響を与えることが明らかになった。また、XylT-1および-2遺伝子発現が低下したBMSCsの細胞培養上清をヒト単核球細胞株であるTHP-1からマクロファージへ分化した細胞に添加すると、組織修復型マクロファージの遺伝子発現が対照群と比較して有意に上昇した。さらに、チタン上で培養したBMSCsとHL-60から好中球へ分化した細胞を共培養したところ、XylT-1および-2遺伝子発現が低下したBMSCsは好中球のアポトーシスを対照群と比較して有意に上昇することが明らかになった。
以上の結果から、O結合型糖鎖はチタン上のBMSCsの骨形成能および免疫寛容能に影響を与えることが明らかになった。一方で、XylT-1およびXylT-2は、チタン板上における細胞の接着に影響を与えないことが明らかになった。現在、BMSCsにおけるXylT-1および-2の遺伝子をCRISPER-CAS9を使用してノックアウトし、チタン板上のO結合型糖鎖の構造を解析することを試みている。
また、N結合型糖鎖を合成する糖転移酵素であるSTT3AおよびSTT3Bの遺伝子発現をCRISPER-CAS9でノックアウトし、同様にチタン板上のBMSCsの動態に与える影響を解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

N結合型糖鎖の糖転移酵素であるSTT3AおよびSTT3Bのノックアウト細胞作製が困難であり、CRISPER-CAS9のガイドRNAを複数回変更しているため。
また、大学院生および職員のコロナ感染および濃厚接触者認定により休職となり、実験の遂行が遅延したため。

今後の研究の推進方策

表面性状および形状を改変した二酸化チタンは、BMSCsに様々な影響を与えることが知られている。特に水酸化ナトリウムなどでアルカリ処理をした二酸化チタンは、細胞接着能、細胞増殖能、骨形成能が増加することが明らかにされている。しかしながら、これらの現象と二酸化チタン上の糖鎖の変化は明らかにされていない。今後、表面性状、形状を変化させた二酸化チタン上のBMSCsの糖転移酵素の発現の変化を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの流行により、研究の進捗が著しく遅れたため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Two cases of parapharyngeal space tumor resected by a double split mandibular osteotomy technique2022

    • 著者名/発表者名
      Kato S, Ijichi K, Fukushima A, Nakamura T, Takashima H, Nabeta T, Miyamoto H, Ishibashi K, Tsuchiya S, Hishida S, Shibuya Y.
    • 雑誌名

      Clinical case reports.

      巻: 10 ページ: e6786

    • DOI

      10.1002/ccr3.6786.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ENPP1は二酸化チタン上の骨髄間葉系幹細胞の石灰化能を向上させる2022

    • 著者名/発表者名
      土屋周平,水谷友美,高島裕之,青木尚史,渋谷恭之
    • 学会等名
      第26回日本顎顔面インプラント学会学術大会
  • [学会発表] 保存療法により病的骨折が治癒した薬剤関連顎骨壊死の1例2022

    • 著者名/発表者名
      高島裕之, 菱田純代, 富松舞, 安永奈津子, 古野翔大, 加古まり, 荒川美貴子, 土屋周平, 加藤伸一郎, 渋谷恭之
    • 学会等名
      第76回日本口腔科学会学術集会
  • [学会発表] POEMS症候群関連多中心性キャッスルマン病に対し智歯抜歯をおこない止血に難渋した1例2022

    • 著者名/発表者名
      古野翔大, 土屋周平, 小林寛子, 大原賢治, 高島裕之, 森田麻希, 加古まり, 加藤伸一郎, 渋谷恭之
    • 学会等名
      第76回日本口腔科学会学術集会
  • [学会発表] ツニカマイシンによる小胞体ストレスは頭頸部扁平上皮癌細胞の動態に影響を与える2022

    • 著者名/発表者名
      土屋周平,石橋謙一郎,安東孝純,中村健人,大原賢治,荒川美貴子,加古まり,宮本大模,加藤伸一郎,渋谷恭之
    • 学会等名
      第67回日本口腔外科学会

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公開日: 2023-12-25  

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