研究課題/領域番号 |
21K09967
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
丸田 道人 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (40507802)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ハイドロキシアパタイト / アパタイトセメント / 気孔率 / 溶解性 |
研究実績の概要 |
TTCP、DCPAの生成条件、粒度分布をさらに検討することにより硬化時間の短縮し簡便な調製法を調査・検討した。気孔率を大きく変化させるために、TTCPの微粒子化を試みた。遊星式ボールミルにて1時間から48時間まで1mmのジルコニアボールを使い、通報に従って粉砕した。また、DCPAはTTCPと同様に最大24時間まで粉砕した。炭酸基の取り込み有無をフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)にて評価したところ。硬化体に炭酸基の混入を認めるピークが確認された。様々な実験プロセスの過程で原因を検討した蹴った。本実験においてはCalciteとDCPAの混合粉末を1100度以上で焼成することによりTTCPを調製しているが、エアクエンチの際にも多量の炭酸基が塩基性のTTCPに吸収されていることが明らかになった。また、その後の保管、練和、養生においても窒素の韓流が必要であることがフーリエ変換赤外分光の結果から明らかになった。TTCP+DCPA系アパタイトセメントの物理的・機械的性質の検討を行った。セメントの粉液比を変化させることにより気孔率 の異なる硬化体の調製可能な範囲を調査した。最低気孔率は一軸加圧により試料を作成したもので約28%、最大の気孔率は一般的な分液比を変化させ練和したもので約60%程度まで調製可能であった。TTCP+DCPA系アパタイトセメントの溶解性の検討を行った測定はJIS T0330-3:2012 に従った。本実験においては分液比の変更により気孔率を調製したが、気孔率の変化が溶解性に与える影響は小さいことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していなかった炭酸基の含有問題の対応に大きく研究時間をさくことになったが、すべての調製条件を詳細に検討した結果、炭酸含有量が大幅に増える操作が明らかにすることが可能になったため、当初予定していた計画にほぼそって実験を行えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の結果を踏まえ、次年度はまず炭酸含有量を極限まで低下させたアパタイトを調製し、細胞実験を行う。有星式ボールミルに装着させるガス置換ポットを使用して炭酸基の含有を減らす。その後はMC3T3細胞を用いた細胞生存率、増殖分化能の評価、破骨細胞を用いた吸収性評価を行う。
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