研究課題/領域番号 |
21K09967
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
丸田 道人 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (40507802)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 炭酸アパタイト / 炭酸含有量 |
研究実績の概要 |
セメント粉末の調製時に完全には炭酸が除去できないことは、前年度までの研究実績の概要で報告した通りである。今年度はこれまでの結果に従い動物実験に進む予定であったが、粉末試料の調製から動物実験実施までの保存期間を考慮して保管された試料の炭酸含有量の変化に関して予備実験を行ったところ保管粉末試料(特にTTCP)への炭酸の吸着が著しく増加していることが明らかになった。そのため、新たに試料保存条件の検討が必要になった。 炭酸含有量の増加はアパタイトセメントの溶解性を変化させるために、試料の調製と動物への埋入時期について検討する必要が生じた。 TTCPは、既に報告した通り本実験では等モルのCalciteとDCPAを高温焼成し、液体窒素を還流させた窒素雰囲気下でクエンチすることにより炭酸含有量の少ないTTCを得ている。また、DCPAは等モルのリン酸水溶液と水酸化カルシウムを反応させて得ているため完全には炭酸の影響を取り除くことができないことはこれまでの報告している通りである。 これまでは、それぞれの試料をこれまでは別々に調製していたが、保管時に炭酸含有量(特にTTCPに吸着する炭酸量が増加するため)同時に試薬の調製を開始して一定の間隔で試料を再度調製することで炭酸含有量が一定の試料粉末が繰り返し調製可能なことが明らかになった。 本年度は動物実験による病理組織学的検討を実施する予定であったが、上述したように保管条件の詳細な検討が必要になったため、研究の遂行に予定より時間がかかり予定より大幅に研究の実施が遅延した。そのため、本年度予定していた動物実験は次年度に実施することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実績の概要でも記載した通り、新たな検討事項が生じたため。 具体的には、調製後に保管していたTTCPへの炭酸の吸着が著しく増加していることが明らかになった。そのため、新たに試料保存条件の検討が必要になった。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験による検討を実施する。ラット大腿骨を用いた検討では大腿骨遠位端に直径2 mm、深さ3mmの骨欠損を形成し、各種Ca/Pモル比のセ メント硬化体を充てんし、移植後2,4週(最大8週まで)に試料を含む大腿骨遠位端を摘出し、病理標本を作成し、組織親和性と骨の置換の状 態を病理組織学的に評価する予定である。 試料の調製に関しては令和5年度に確立した方法を用いる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実績の概要でも記載した通り、新たな検討事項が生じたため予定より研究の実施が遅延したため。 具体的には、調製後に保管していたTTCPへの炭酸の吸着が著しく増加していることが明らかになった。そのため、新たに試料保存条件の検討が必要になった。 動物実験による病理組織学的検討を実施する。ラット大腿骨を用いた検討では大腿骨遠位端に直径2 mm、深さ3mmの骨欠損を形成し、各種Ca/Pモル比のセ メント硬化体を充てんし、移植後2,4週(最大8週まで)に試料を含む大腿骨遠位端を摘出し、病理標本を作成し、組織親和性と骨の置換の状 態を病理組織学的に評価する計画である。
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