研究課題/領域番号 |
21K09971
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石山 希里香 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20712904)
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研究分担者 |
菅野 太郎 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30302160)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プロアントシアニジン / 創傷治癒 / ポリフェノール / 線維芽細胞 |
研究実績の概要 |
研究計画に従って、線維芽細胞のモノレイヤー創傷モデルを用いた細胞試験を実施した。実験には、チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞を用いた。CytoSelect Wound Healing Assay kit(Cell Biolabs)を用いて、24-wellセルカルチャープレートに創傷モデル(0.9 mm幅の一定のギャップ)を作製した。プロアントシアニジン(Leucoselect, Indena)を生理食塩水に0.5 mg/mLとなるように溶解し、0.2 umのフィルターで除菌後、細胞試験に用いた。創傷モデルをプロアントシアニジン溶液で60秒間処理後、新しい培地をウェルに入れて培養を行った。処理後24時間で位相差顕微鏡を用いて創傷部位(ギャップ)の閉鎖を観察してImage Jを用いた画像解析を行い、創傷部位の閉鎖率を決定した。その結果、プロアントシアニジン処理による創閉鎖率は、58.8%であったのに対して、コントロール群(生理食塩水処理)では、74.8%であった。従って、創閉鎖におけるプロアントシアニジン短時間処理の優位性を示すことができなかった。 今後も、上記のin vitro創傷モデルを用いた細胞試験を継続し、プロアントシアニジンの濃度、処理時間が創閉鎖に及ぼす影響を詳細に調べる。また、Indena社以外のプロアントシアニジン(例えばMerckのプロアントシアニジンB1やB2など)を用いた検証も行う。さらに、他のポリフェノール(カテキンやレスベラトロールなど)との比較検討を行い、in vivoでの創傷治癒試験実施に向けたの処理条件の探索を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していたモノレイヤー創傷モデルを用いた実験を実施することができた。しかしながら、想定していたような結果(プロアントシアニジン処理による創傷閉鎖促進効果)が確認できなかったため、今後はプロアントシアニジンの濃度や処理時間についてより詳細な検討が必要であると考えている。従って、初年度は三次元培養を応用した創傷治癒モデルを用いた試験は実施できなかった。モノレイヤー創傷モデルで処理条件を決定の上、三次元培養モデルおよび動物実験を実施する。
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今後の研究の推進方策 |
プロアントシアニジンが線維芽細胞の増殖を促進することは先行研究の結果よりわかっている。従って、初年度の研究で創閉鎖率などにおいてプロアントシアニジン処理の優位性を示すことができなかったのは、処理条件の最適化がなされていなかったためと考えられる。従って、モノレイヤー創傷モデルを用いたin vitro細胞試験を引き続き実施して、最適な処理条件を探索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度前半においては、コロナ禍において、研究室の使用に制限がかかり計画通りに実験を進めることができなかった。年度後半においては、通常通り研究室が使用できるようになり、計画していた実験を実施できたが、全体として少し遅れが出ている。そのため、当初計画していたよりも研究費の使用が少ない結果となった。また、参加を計画していた国内学会や海外学会の出張がコロナで中止あるいはウェブ開催となり、旅費に未使用分が生じた。 初年度の遅れを取り戻せるように、2年度目以降の研究計画を修正したので、初年度未使用額を使用して、よりスムーズに研究活動を実施する。
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