研究課題/領域番号 |
21K09982
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (80264448)
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研究分担者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
清水 孝治 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40440937)
元山 彩良 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 歯科衛生士 (50866100)
原田 佳枝 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60432663)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 口腔保湿剤 / 口腔乾燥症 |
研究実績の概要 |
口腔カンジダ症には,アゾール系抗真菌薬が処方されるが,高齢者では,併用禁忌や副作用の問題がある.これまで,口腔カンジダ症の多くは,C.albicansによる日和見感染症とされてきたが,近年では,C.glabrataの増加により,アゾ-ル系抗真菌薬に耐性を示す難治性カンジダ症も増加している.一方,ポリエン系抗真菌薬など抗菌スペクトラムが広い抗菌薬の長期にわたる服用は耐性菌出現の点から避けるべきである.しかし,高齢者では口腔乾燥症患者が多く,これに併発する口腔カンジダ症では,長期間,持続的に使用可能な薬剤が求められる.そこで,本研究では,口腔乾燥症患者に用いられる口腔保湿剤(以下,保湿剤)の抗真菌性に着目し,保湿剤を用いた新規口腔カンジダ症の治療戦略を確立することを目的に以下の研究を行うものである.カンジダに対する抗真菌性は,保湿剤のpHや保管温度と関係することが考えられる.そのため,保湿剤の加温条件を常温(25℃)と体温(37℃)の2種類に設定し,保湿剤のpH値を網羅的に計測し,これらの条件とカンジダの抗真菌試験の結果より最も抗真菌性の高い組み合わせから効果的な適用条件を設定するものである. 2023年度までに,保湿剤の効果的な適用条件について,入手可能な市販保湿剤31種の25℃と37℃におけるC.albicansとC.glabrataに対する抗真菌性を測定した.また,これらの保湿剤の各温度におけるpH値を網羅的に計測している.現在,pH値の網羅的な計測を引き続き行い,各菌種における保湿剤の抗菌性に保湿剤の保管温度ならびにpHが及ぼす影響と保湿剤と抗真菌薬の発育阻止円の大きさについて検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究当初に計測していた市販口腔保湿剤について,いくつかが製造中止となったため.また,保湿剤のpH分析について予備実験を行っているが,測定時の温度変化を防止する方法やジェル保湿剤のpH分析に難航している.
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今後の研究の推進方策 |
現在,市販保湿剤のpH値を網羅的に計測している途中であり,これらの結果と保湿剤の種類,加温条件(25℃と37℃)とC.albicans,C.glabrataの抗菌試験を行い,最も抗菌性の高い組み合わせから効果的な適用条件を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の一部について,研究計画の変更に伴い次年度に購入予定となったため. 使用計画は,研究計画に変更に従って,2023年度に購入予定であった物品を2024年度に購入し研究を行う.
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