研究課題/領域番号 |
21K09999
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
來田 百代 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10733082)
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研究分担者 |
小久保 喜弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 特任部長 (20393217)
小野 高裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241)
高阪 貴之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40755360)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯学 / 咀嚼機能 / 歯周病 / 動脈硬化 |
研究実績の概要 |
1)データの収集:新型コロナウイルスの影響にて、データの収集は行うことが出来なかったが、すでに採取した唾液検体より、唾液中歯周病原菌検査を136件進めた。 2)歯周病とIMTとの関連:吹田研究参加者で歯科検診およびに頸動脈エコーを行った1472人(平均年齢66.8歳)を、歯周病の状態に応じて健常群、軽度歯周病群、重度歯周病群の3群に分けた。動脈硬化の指標として、頸動脈エコーより得られた内膜中膜複合体肥厚度( intima media thickness IMT)を計測し、歯周病とIMTとの関連について、高血圧の有無で層別解析を行った。高血圧のないグループで、歯周病とIMTとの関連について有意な関連を認めた。またその関連は歯周病が重症になるにつれ、IMTの値が高くなる傾向があり、用量依存性であることが分かった。高血圧のないグループでも同様に、歯周病が重症になるにつれ、IMTの値が高くなる傾向を認めたが、その関連は有意ではなかった。 3)顎欠損と咀嚼能率との関連:口腔腫瘍後の顎欠損に対して可撤式義歯による補綴治療を受けた患者76人を対象に調査を行った。放射線治療歴、手術後期間、現在の義歯の使用期間、残存歯数、顎欠損部位のデータを収集し、咀嚼能力、最大咬合力、舌圧、舌口唇運動機能、口腔乾燥について評価を行った。ロジスティック回帰分析の結果より、放射線治療歴、最大咬合力、舌圧、残存歯数、舌口唇運動機能は顎欠損患者の咀嚼能力低下と関連していることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により、歯科検診が行えず、データ収集という点においては遅れている。しかしながら、その一方で、解析作業、論文作成を進めており、研究全体の進捗状況としては、やや遅れているものの、おおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの収束により、歯科検診が可能となれば、データ収集を再開する。現在解析を進めている唾液中歯周病細菌検査をさらに進め、そのデータより、歯周病と関節リウマチとの関連について解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響にて、歯科検診が予定通り行えなかったこと、また、学会のオンライン開催等により、使用予定額の差異が生じた。次年度は、学会の現地開催が増加する予定であること、論文執筆に使用予定額を増加させることで、総合的な研究計画の進行をはかる。
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