研究実績の概要 |
CAD/CAM法に使用される義歯床用材料に対して機械的清掃や化学的清掃を行った際の表面粗さへの影響を検討した。積層造形法(Printed)、ミリング法(Milled)、圧縮填入法(Conventional)の3種の製法を設定し、それぞれの製法で試料を製作した。機械的清掃の義歯床用材料に対する影響の評価として、義歯ブラシを装着した歯ブラシ摩耗試験機で50,000サイクルおよび100,000サイクルの刷掃試験を行った。化学的清掃の義歯床用材料に対する影響の評価として、各材料の試料を6個ずつ次亜塩素酸系(HA)、中性過酸化物系(P)、アルカリ性過酸化物系(AP)の義歯洗浄剤と水道水(W)への浸漬試験を行った。試料を8時間浸漬後に水洗することを1サイクルとし、180サイクル行った。本実験結果より、CAD/CAM技術によって製作されたレジン試料は機械的清掃や化学的清掃によって表面粗さが大きくならないことが明らかとなり、積層造形法やミリング法で製作した義歯に通常通りの清掃を行うことができることが示唆された。 また、積層造形法、ミリング法で製作された義歯床用レジンへの唾液処理下および非処理下におけるStreptococcus sanguinis, Staphylococcus aureus, Candida albicansの付着性を検討した。唾液非処理下で、ミリング法および DLP 法のレジンへの微生物付着は加熱重合型レジンに比べて高く、C. albicans および S. aureus の Polyjet 法レジンへの付着性は製法間で最も高かった。しかし,S. sanguinisの付着は唾液処理後では従来の加熱重合型レジンと同程度であった.S.aureus 付着性は DLP 法でわずかに変化し、C. albicans 付着性には影響がなかった。
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