研究課題/領域番号 |
21K10020
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田地 豪 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (80284214)
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研究分担者 |
二川 浩樹 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10228140)
村山 長 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60219946)
峯 裕一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 講師 (60605989)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Photogrammetry / 顎顔面補綴 |
研究実績の概要 |
顎顔面補綴装置(エピテーゼ)は、顎顔面領域の一部に欠損が生じた症例に対し、補綴物を用いて形態的・審美的・心理的なリハビリテーションを行う治療法の一つである。医療用シリコーン樹脂を用いて患者の欠損部を正確に再現するが、その製作には熟練を要する。また、一般的な治療過程においては、アルジネート印象材で顔面を覆い患者の欠損状態を複製する必要があり、高齢患者に対しては精神的・肉体的負担が非常に大きい。本研究では、3Dデジタル技術とIoTを組み合わせることにより、低廉かつ高機能なエピテーゼ治療を実現させるためのシステム開発を目指す。 初年度は、Photogrammetryを利用した顎顔面デジタル印象に関する基礎的検討を行った。デジタル印象の条件検討のため、右眼窩部欠損患者からアルジネート印象材により採得・製作した石膏模型を使用した。デジタルデバイスとしてiPadを使用し、患者石膏模型の静止画像を50枚を取得した。次に、これらの静止画像とPhotogrammetryソフトウェアにより3Dモデルを生成した。また、Photogrammetryソフトウェアにより生成した3Dモデルの精度検証のため、構造化光3Dスキャナを用いて同様に3Dモデルを生成し、比較検討した。その結果、Photogrammetryソフトウェアにより生成した3Dモデルは、構造化光3Dスキャナを用いて生成した3Dモデルと良好な重ね合わせ結果を得た。 次年度以降は、石膏模型による計測に加え、実験参加者の実際の顔面を対象にPhotogrammetryによるデジタル印象の検討を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標である患者石膏模型を使用した、顎顔面デジタル印象のための条件検証を実施したことから、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は、石膏模型による計測に加え、実験参加者の実際の顔面を対象にPhotogrammetryによるデジタル印象の検討を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19感染拡大の影響により当初計画の旅費執行が困難になった。2021年度に得られた結果をもとに、2022年度の研究を加速させるための予算として使用する。
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