研究課題/領域番号 |
21K10037
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
足利 雄一 北海道大学, 大学病院, 講師 (70372258)
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研究分担者 |
本間 明宏 北海道大学, 医学研究院, 教授 (30312359)
鈴木 崇祥 北海道大学, 大学病院, 医員 (30581037)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 近赤外光線免疫療法 / 穿刺シミュレーション / ファントム模型 |
研究実績の概要 |
本研究では、近赤外光線免疫療法(NIR-PIT)を安全かつ確実に行えるよう医用画像データから得た3次元データを応用し、シミュレーション模型やオーダーメイドの治療補助装置を開発することを目的としている。 2021年度は、穿刺シミュレーション用ファントム模型のプロトタイプの制作、術中CBCT撮影の際にメタルアーチファクを生じさせない非金属製開口器、非金属製ガイドニードルの制作を行った。 ファントム模型はDICOMデータから骨、血管、腫瘍、軟組織(臓器)をセグメンテーションし、3Dプリンターで造形した。皮膚、皮下組織、筋肉はシリコーンを用いて作成し、3Dプリンターで造形した模型と一体化させ、等倍大の模型を作成した。この模型は臨床解剖に則した構造が再現されており、穿刺が可能で、CTによる穿刺後の評価もできることが大きな特徴である。しかしながら、制作時間がかかること、現時点では量産が困難であることが問題点であり、制作工程の見直し、作業の簡略化を行っている。 治療の際には穿刺針を刺入後にCBCTを撮影し、腫瘍と穿刺針の位置関係を確認している。その際、金属製開口器や、穿刺針はメタルアーチファクトを生じてしまうことから、術中CBCT撮影の際に用いる非金属製開口器と穿刺位置・方向が確認できるガイドニードルを開発した。いずれもCADソフトを用いて制作し、3Dプリンターを用いてレジンで造形を行った。ガイドニードルでは10mm間隔にX線非透過性マーカーを埋め込むことで穿刺深度の計測が可能となり、ヘッド部分にナンバリングを行うことで複数の穿刺を行っても各々のガイドニードルをCBCT上で認識できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医用画像データやCADソフトから3次元データを構築し、シミュレーション模型やオーダーメイドの治療補助装置を作成する手技が概ね達成できている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はニードルカテーテル穿刺シミュレーションソフトを開発する予定である。具体的にはシミュレーションソフト上で稼働するガイドカテーテルを作製する。さらにガイドカテーテルには近赤外光の有効照射範囲を示せる機能を付属させ、照射範囲に応じた適切な穿刺方向と本数を検討する。 さらにシミュレーションで行ったニードルカテーテルの穿刺を計画通りに穿刺するためのガイドスプリントを開発し、一致性、有用性について検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究打合せをweb会議で実施したことで旅費等を節約できた。また、研究に必要な消耗品については既存の所有物を活用することで節約できた。次年度はファントム模型の増産、3Dシミュレーション、ガイドニードルスプリントを作成するため、それに必要な備品費、消耗品費、打合せ旅費等に使用する予定である。
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