研究課題/領域番号 |
21K10040
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
山田 慎一 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (50380853)
|
研究分担者 |
栗田 浩 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10273103)
柳本 惣市 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10315260)
長谷川 巧実 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (50546497)
梅田 正博 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60301280)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / 被膜外浸潤 / PD-L1 / 個別化治療 |
研究実績の概要 |
口腔癌の術後再発高リスク因子の一つとして頸部リンパ節転移の被膜外浸潤は、重要な病理学的因子であり、ガイドラインでは、被膜外浸潤陽性例では術後補助療法として、高用量シスプラチンを用いた化学放射線療法の実施が推奨されている。しかしながら、被膜外浸潤例の中にも予後に差があり、被膜外浸潤陽性例と一括りでまとめられない現状がある。そのため、被膜外浸潤の進展度分類を作成し、その有用性を報告するとともに、そのメカニズムを明らかにすることを目的としてきた。しかしながら、頸部リンパ節転移例で、被膜外浸潤を呈する症例は進行癌が多く、また、手術までの待期期間が生じる場合には術前化学療法が行われることがしばしばあり、未治療の標本を得ることは困難である。頸部リンパ節転移被膜外浸潤58例についてPD-L1の発現を免疫組織学的染色を行い検討した。58例と対象症例が少ないこともあり、PD-L1の発現は認められていても、進展度分類との間に有意な相関は認められなかった。また、特に高齢口腔癌患者の治療においては、標準的治療を行うことができる症例群と、標準治療を行えない群との見極めが重要であり、治療選択の基準を明らかにする必要があると考え、438例の後ろ向きでの検討において、治療態度、特に根治的治療と非根治的治療の境界はG8スコア10.5で分岐することが明らかとなり、また、G8スコアのカットオフ値を10.5とした場合、これらが、PSとともに全生存や自立生存と関連し、治療選択因子とともに予後予測因子にもなり得ることを明らかにした。
|