研究課題/領域番号 |
21K10048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉田 遼司 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (10632458)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / エクソソーム / マイクロRNA / 腫瘍微小環境 / PDXモデル |
研究成果の概要 |
エクソソームによる前転移ニッチ形成を標的とした口腔がん転移の革新的治療法開発を目指し、研究を行った。再発・転移性口腔癌患者の血中エクソソームにPD-L1が特徴的に発現していることを見出し、免疫療法の治療効果や予後と相関することを報告した。また、患者血清から抽出したエクソソームの多層オミクス解析を行い、転移に関連するmiRNA-Xを見出し、その臨床的意義を検証して国際学術雑誌に投稿中である。更に、口腔癌患者由来PDX細胞株から高転移性サブクローンを樹立し、プロテオーム解析の結果、複数の特徴的分子発現プロファイルを見出した。現在、これらの分子の前転移ニッチ形成における生物学的意義を解析している。
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自由記述の分野 |
口腔がん
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高転移性口腔癌による前転移ニッチ形成に着目して口腔がん転移の病態解明を目指した研究はほとんどなく、本研究成果は限界を迎えつつある口腔がんの転移診断や治療法開発に大きなパラダイムシフトをもたらし得ると考えられる。また、本研究の過程で、効率的にエクソソームを回収するキットの有用性や、口腔がんにおける体液診断の有用性についても証明することができた。以上の成果は、今後の研究を進める上での大きな成果であり、口腔がんの病態解明に寄与するだけでなく、他癌腫における高転移性腫瘍細胞の制御機構解明にも新たな知見をもたらし、その診断・治療法開発に大きく貢献すると考えられる。
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